M&A月報 No.222「ミャンマー総選挙とタイ政策」

重要な隣国のミヤンマーで総選挙が行われた。

予想された事ではあるが、スー・チーさん率いるNLD党が予想を超える

得票で大勝した。

さて、絶大な人気のスー・チーさんだが、子供が英国国籍ゆえ大統領に

はなれず、今後どんな人物が大統領に成るのか、選出議員の2/3以上

の票獲得が必要なだけに注目される。

664議席中、25%は軍人議員枠と成って居り、如何に大勝であって

もNLD単独で大統領候補を当選させるのは困難との見方もあり、連立政

権の可能性もある。

この軍人枠に、例によって米国が強い非難の声明を出している。

今後のスー・チーさんの旗振りに注目したいがバラマキ型に成らない事

を念じて居るし、如何に軍部と上手くやるかがKEYと思って居る。

記者会見の様子をTVで見ていると、スー・チーさんは、自分は大統領に

は成れぬが、その上に君臨すると明言した。

こんな事で大統領に成りたがる人材が居るのか、早くも先き行きに懸念

が広まる。

相変わらず、タイは軍事政権による安定的な低成長路線、即ち、国の借金

は増やさぬ姿勢を貫いているが、我が祖国は、一億総活躍、GDP600兆円、

好調な大企業には賃上げの要請等、相反する路線を突き進んでいる。

給与を上げ、輸出を増進、コストは?それは円安でカバー。

円安で輸入品のコストUPにはどう対応、それは効率化だ。

何か矛盾して居ませんかと問いたい。

2%のインフレ目標、賃上げ、大変危険な道を歩んでいる気がする。

今さえ良ければ後の事等知った事か、こんな路線で良いのであろうか?

某大手新聞の見出しに、”東南ア財政綱渡り“の記事が出た。

マレーシヤ、インドネシア、タイが大変という内容であるが、自国はどう

なのと日本のマスコミに問いたい。

プラユット首相は、タクシン元首相時代にその右腕と成り、財務大臣として

辣腕を振るったソムキット氏を副首相に任命し、経済政策の立案を命じた。

ソムキット副首相は次世代の10産業と銘打ち、下記の10項目を上げた。

1.  次世代の車

2.  スマート電子

3.  富裕層の医療、健康、観光

4.  農業、バイオテクノロジー

5.  食料

6.  工業用ロボット

7.  物流、航空

8.  バイオ燃料、バイオ化学

9.  デジタル

10.   医薬

目下の所、英文しかなく、且つ解説が無く、判りずらい状況だが、ハイテク

/IT/バイオ/健康等の分野と思う。

法人税/所得税/労働許可書等に付き、長期間の恩典を与える考えだが、細則

は未決定である。

取り合えづ100億バーツの予算を付け、ソムキット副首相が24名の要人を連

れ、最初の訪問国として訪日した。

80近い企業の方々と会談したとのNEWSはタイの新聞には載っているが、日

本の新聞には何も載って居らず、日本の反応は判って居ない。

また同氏はタイはPTTへの参加を希望、日本にその後押しを依頼した様だ。

2016年はAECもSTARTし、投資が戻って来ることを期待しているが、残念乍

ら日本の反響は今一の感もして居る。

熾烈な競争を続けて来た4G(第四世代)の携帯電話の入札が行われ、1800MHZ

帯には、BIG3のAIS,DTAC,TRUEに加え、ジャスミンが参加し、応札が行われ

た。

最低価格は159億バーツに設定されたが、結局、AIS 409 億バーツ、TRUE

397億バーツと倍以上の価格でこの二社が落札した。

次は900MHZ帯の入札が12月15日に行われる予定で注目が集まって居る。

タイ政府に取っては、有難い歳入と成った。

パリで爆弾テロが起こったと報じられた。

タイは一か所であったが、6か所で起こった同時テロとの事。

BKKの例よりすると、人の往来が激減し、観光事業関連者が多大の損害を被る。

掛かる事が起こらぬ世の中に成る事を念じたい。

BKKマラソンで珍事件が発生した。

即ち、通常ハーフマラソンは21,1KMであるが、主催者がUターンポイントの

位置を間違え6KM長い距離に成って仕舞った。

参加者に聞くと、おかしいとは思ったが、まさかとは思い走り切った。大変疲

れたとのコメントで、主催者はお詫びとして、T-シャツを無料配布したが、タ

イらしい出来事であった。

8月に王妃様のお誕生日は祝福して、BIKE FOR MAMと銘打って、自転車に

よる42KMの走行が行われ、大好評であった為、12月の国王の誕生日を祝う為、

今度はBIKE FOR DADと銘打って行われる事に成った。

しかし、何と開催日は12月11日の平日と成った。

BKK市内の主要な道路が、午後は完全封鎖される為、急遽、多くの企業は臨時

休業に追い込まれた。

何故、祭日に行わぬのか不思議な所であるが、この決定に不満の声が上がらぬ

のがタイの良い所と感じている。

主催者が走行距離を誤らぬ事を念じて居る。

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