M&A月報 No.236「ワチラロンコン新国王の年頭のお言葉とタイ南部洪水被害」

昨年は70年間の長期に亘り、国王の座にお付きになり、国の発展の為尽力されて来た

プミポン国王のご崩御という悲しい出来事で幕を下ろしたが、

新年となり、心機一転、ワチラロンコン新国王の年頭のメッセージにより、幕開けと

なった。

“前国王の崩御は、全てのタイ国民に悲しみをもたらす最大の損失であった。

その追悼の為、全国浦々より多数の国民が王宮に駆けつけてくれた事に深い感銘を受

けた。

感謝したい。

今後、如何なる困難や障害に直面しても、皆の協力が得られれば、解決出来ると確信

している。

前国王の意思を継続し、国民と協力し、任務を全うする事を誓う“

と国民の団結を求める内容であった。

国王の最初の認可事項として、新憲法のご承認があるが、今般の報道によると、

政治危機発生時に国王が関与出来る事とか、王位継承に関する所での修正を求められ

ている事が

伝えられた。

政府は、これら修正点は、新たなる国民投票を必要としない形で修正を加えたい意向

のようであるが、

この作業には数カ月が必要なようで、総選挙はほぼ確実に、来年度にずれ込む事に

なったと思われる。

日経は“経済回復の足かせにも”の見出しで、また論評した。

本当に高度成長がお好きな新聞である。

やはり世界は異常気象なのであろうか。

この時期は乾期であり、水害の被害などはあまり聞いた事がないのだが、南部で大

雨、大洪水が発生し、

多大の被害が報告されている。

報道によれば、30年來観測した事の無いほどの豪雨で、道路は冠水し、車、牛など

を、泥水の中押したり、

引っ張っている人々の写真が掲載され、道も各地で分断され、多くの家屋も流出して

いる。

10,000人を超える人々が復旧作業に駆けつけ、多くの支援物資も発送され、国を挙げ

て、

援助活動が展開され始めているが、被災した人は100万人を超え、操業停止の企業も

8,500社を超え、

既に死者も25人出ている。

特に、米、ゴムに多大の被害が出る様で、今後の復旧活動に注目が集まっている。

先月、“もがくタイ”なる新聞記事の批判を行ったが、今月の某FREE PAPERに、

”タイで暮らす日本人にとっては安定が一番“なる記事を見つけた。

“現在の政権である限り、混乱は再び起こらないであろうし、軍事政権というと外部

的には非民主的というイメージであるが、

その中で暮らしている人々には民主が守られていると感じ、居心地が悪いという事で

は無い”

全く同感の記事を見出したのでご紹介したいし、大新聞の日本デスクは自分が描く記

事を現地記者に要求するのでは無く、

現地の人々の声を素直に伝えて欲しいと念じている。

偶々TVで日本の国会の代表質問を見る機会があった。

蓮舫代表が、今までに無く、的を得た表現で、財政問題に付き質問した。

その時、麻生財務大臣は顔に不気味な薄笑いを浮かべて質問を聞いていた。

国の将来の大問題を、子孫に押し付けて良いのかとの質問時に、見せる笑みとはとて

も感じないが、

誰も批判しない。

総理の答弁も従来通りで、まるで他人事。

マスコミも国民もこの件には興味が無い様子。

タイ人が日本語を理解出来れば、信じがたい国会論争/日本国民の意識と言うと感じ

た。

毎年1月には、世界最大の家電見本市CES(Consumer Electronics Show)が米国で開催

されて来た。

筆者も40年前には見学に行き、Projection TVなるものを見つけ、それを大型TVの走

りとして、

事業化に関与した経験がある。

しかし当時は、AVのみの展示であり、主役はソニー、松下、RCA等であった。

昨今の新聞を見ていると、話題は殆どが車関係、TVを見ても、登場するのは、

トヨタ、ホンダ、日産等の社長、家電メーカーのNEWS等はほとんど無い。

CESの名称を変更する必要があるのではないかと感じると共に、車の自動運転が主役

となる

時代の猛スピードでの変革を昔を思い出しながら感じている。

タイ国にも新たに、デジタル経済社会省が発足し、ピチュート前工業大臣が、

横滑りで、初の大臣となった。

“IT・ネットが拓く”“IT新時代の幕開け”等の活字が躍る。

急速にAIが発達し、新しい社会を構築して行く様に感じる年初である。

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