‘2012/11’ カテゴリーのアーカイブ

微笑みの国で雨にウタレテ・・・90′s 其ノ参

2012/11/07

さて、話は元に戻る。
バンコク・ドンムアン空港に着いた俺とナリタヒデキだが、俺は初めて
経験する東南アジアのナマヌルッタイ暑さと気だるさにカンドーしていた。
しかし、とにかく俺は、どこへ行ったらいいのかも分からない。
ナリタヒデキに着いていくしかないのだ。

ナリタヒデキは、
「フムム、貧乏旅行のつもりだから、空港から市内へはタクシーでは
行かないよ。59番の市バスで行くのダヨ」と言う。

空港の位置も、市内がどこを指すのかもワカラン俺は、とにかく
「そうかそうか」とうなずきながら、ナリタヒデキの後をついて行った。
空港を出て、しばらく右に進んで行くと、大通りに出た。
今、車でよく通るウイッパワディ・ランシット通りである。
ここで市内の「バックパッカーの集まる」というカオサン・ロード付近へと
向かう59番の市バスを待つという。
 
別に時刻表がある訳でもなく、周りのニタニタ顔とぼんやり顔のタイ人達は
バスが来るであろう方向を見つめている。
それにしてもすごい喧騒と排気ガスだ。
午後4時過ぎの夕焼け色の空が、喧騒の向こうに見える。
そして、なんとなく妙に体の奥底から躍動感がふつふつと湧いてくるのが
自分でも分かり、嬉しかった。
なんとなく求めていたものなのかな?なんて思ったりもした。
 
59番のバスはなかなか来なかった。
「バス来ねーじゃねーかよ!」
とナリタヒデキに八つ当たりしていると、「フムム、アジアでは日本のような
時間厳守的な感覚はないのだよ。ふむふむ。なにもかもが適当で
バスもいつ来るか分からないんだ。そんな環境の中にいるのが
面白いのだよ。こーいうのを「マイ・ペン・ライ」「アライ・ゴ・ダーイ」って
言うらしいよ。ふむむ」とあごを掻きながら言うのである。
 
「よ~く知ってるねぇ~。フムフム」
とナリタヒデキの真似で言う俺。
 
妙に(?)関心していると、ようやく59番のバスが来たらしい。
停まったのか停まってないのか曖昧なままのバスに急いで乗り込み、
ぎゅうぎゅうな中やってきたおばちゃんによく分からないまま
10バーツ硬貨を渡し、よくワカラナイママおつりをもらい、本当に
ルートもお釣も合っているのか?と混乱しながらも、隣でふむふむと
俺を無視しながらもガイドブックを読みふけるナリタヒデキに目的地までの
所要時間を聞くと、「ふむふむ、約2時間だよ」と、相変わらず顎を掻きながら
言うもんだから、アタマに来るのはとーぜんで、「遠いじゃねーかよ!」と
再びの八つ当たりである。

初っ端から憤慨してばかりの俺であったが、この辺りから、ナリタヒデキと
俺の旅のスタイルのすれ違いが勃発し、早くも旅の続きにあやしい雲行きが
グルグルと侵入してきたのである。

この話がちゃんと続くだろうか???
という自分自身への問いかけにも、あやしい雲行きがグルグルと侵入し
始めているのである。


 
(つづく)