M&A月報No.92 「国王新年スピーチと地下鉄衝突事故」

平穏な一年と思った2004年であったが、最後は津波の大惨事で幕を閉じた。
教養あるタイ人に聞いてみたが、津波に付いては、学校で学んだ事も無く、
何の知識も無かった。

年末の有名な海岸のリゾート地、そこには数多くのタイ人富裕層の人々も
既に休暇として行っていた。


異変に気づき、カメラを持って波打ち際に行ったという。
また携帯電話で会話中に波にさらわれた知人もいた。
バンコクでもプールの水が波打つ程の揺れがあった。

タイにも地震、津波が発生する事を思い知らされた。
最新の情報では死者4,541人、行方不明者6,479人。
全体では20万人を越える死者が出たのではと言われている。
ご冥福をお祈りしたい。

国王が新年のお言葉を述べられた。

「昨年は良い事も悪い事もあった。
良い事はオリンピックで選手が大活躍した事。
悪い事は年末に発生した津波による大惨事である。
この教訓を生かし警報の整備をすべきである。
一万人を越える人々が犠牲になった事は痛ましいが、惨事発生後に
見せたタイ人の対応・協力等につき、軍隊、警察、一般市民を問わず、
タイ人魂を見た気がする。
タイ人、外国人を問わず、皆で力を合わせ可能な限りの救済をしよう。
惨事を教訓として、団結と慈悲を念頭に、平和で安定した国作りに勤めよう」

昨年7月に運行を開始した、タイ国ご自慢の地下鉄で衝突事故が起きた。
700人を乗せ停車している電車に回送車が衝突したのである。
幸いに死者は無かったが、重傷者約20人、軽傷者が約100人出た。

タクシン首相は早速現場に急行し視察を行い、
「システムには問題ない。運転手の怠慢である」
と決めつけた。

また、一週間営業を停止し、原因の究明、再発防止を担当大臣に命じた。
併せ負傷者の全ての人々は、医療費については保険でカバーされる
事を表明した。

何故、安全装置が作動しなかったのか、運転手とコントロールセンターとの
やり取りは如何なものであったのか等、今後の調査の結果が待たれる。

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