M&A月報 No.235「ラーマ10世王 御誕生」

12 月1日は前国王ご崩御から50日目の節目の日になる。

王宮に於いて、多くの僧侶が集まり、各種法要の式典が延々と催された。

皇太子殿下以下、皇族の皆様全てご参加となったが、残念乍ら、王妃様のお姿は無かった。

この歴史的な式典は、タイの全てのTVチャンネルで放送され、多くの国民も見る事ができた。

この儀式の後、先月報告したが、立法議会が既に承認した、ワチラロンコン皇太子の

国王就任の儀式となり、ポーンペット議長が即位を要請され、それを皇太子殿下が受諾され、

目出度く、チャクリー王朝の10代目、ラマ10世王が誕生した。

70年振りのご慶事を見る事が出来、ある意味幸運であったと感じている。

戴冠式は、前国王の火葬が9月に計画されており、その後となる見込みである。

新国王は初仕事として、枢密院の人事の入れ替えを行われた。

96歳のプレム議長はご信任厚く留任、新たに法相、教育相、前陸軍司令官が指名され、

7人が再任、結果、11人中軍関係者が6名と過半数を占める事になった。

新国王と軍の関係強化を示すものと注目を集めている。

未だに大多数の国民は黒の衣服を着用しており、結婚式、忘年会、各種パーティも自粛ムードで、

例年では、派手な飾り付けが行われる、王宮前、商店街、ホテル等も簡素なものとなっており、

また恒例の花火の打ち上げは自粛されそうで、静かに、粛々と新年を迎えそうな雰囲気である。

過去に前国王は、TVを通じて国民に良く呼びかけられたが、その要旨は、

国民の協調、融和、努力、足るを知る等の内容で、反対意見の相手でもその言って居る事に耳を傾け、

理解に努め、仲良くしろ、また自己啓発に努め、一歩でも上の生活を目指せ、

但し、不相応な贅沢は望むな等であったと思う。

日本では、また97兆円もの大型予算が閣議で決定された様であるが、返す当ても手法も無い大金の借金を、

子孫に残す事を意に返す様子も無く、毎年繰り返す姿を、タイの真面目さ、国王のご指導よりすると

夢物語の様に感じて眺めている。

新聞には、これを一般家庭に例えて解説しているが、年収577万円で既に1億円を超える借金があるのに、

さらに今年は344万円もの借り入れをせねばならぬ、何故もっと節約の話が出て来ないのか、

一般家庭ならさらに300万円も貸し込む銀行は存在するのか、また野党は安倍内閣のアキレス腱は、

この財政問題と考えるのに、ほとんど突っ込みが無い。何故であろうか。

安倍首相の言う、“日本にはそれに見合う銀行預金がある”、恐ろしい言葉と思っている。

足るを知るでは無く、もっと足りたい、その為の借金は借りられるのであれば、どんどん借り、

返済は子孫にお願いする。

真面目な考え方であろうか。

前国王であれば、いい加減にせよ、と仰ったと思っている。

日本を代表する新聞と思って居る、日経は、大変高度成長がお好きな様子である。

“タイもがく中進国”なる見出しで、タイの経済成長の陰りを論じている。

何故安定した3%程度の成長では正念場を迎えるのであろうか。

タクシン首相の高度成長路線、格差の増大、公共事業=国の借金の増、これの反省より、

バラマキ政治の必要が無い軍事政権の擁立=安定した低成長、過半数の国民はこれを支持した。

人々の笑顔を見て、とても“もがいている”と感じられないのに、何故日経新聞は危機感を

煽るような書き方をするのか、疑問に思うと同時に、もっと“もがき出す”のは円安に向かう、

日本では無いのですかと問い質したい。

トランプ大統領で、大きな変化が生まれそうな来年、どうこれを読み、対応して行くのか、

目を大きく見開き、方向を誤らぬ様な一年にしたいと念じている。

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