旧正月を迎えたが、一部地域を除いては、当地ではやはり盛り上がりを 欠く祭日であった。

しかし、ある当地新聞に、目下病院でご静養中の国王が、自室の窓より、

カメラを屋外に向け、83もの獅子舞が道路で踊りを披露し、83歳の

国王をお慰めしているものを写真撮影しておられるご様子を収めた、

微笑ましい写真が披露された。

心和む一葉と感じた。

その国王であるが、5ヶ月に及ぶ病院での静養を終えられ、無事、愛犬に

先導されて退院された。

おめでたい事である。

日本でも混乱を招いているが、連立政権とは難しいものの様である。

当地でも与党民主党と連立を組む弱小政党の5党が憲法修正案を国会に

提出する事になり、内輪もめが始まった。

5党が出そうとしているのは、国際協定の事項に関しては、事前の議会

承認が必要とする項目と中選挙区から小選挙区への変更に関する項目である。

これに対しアピシット政権は今は改憲を議論する時ではないと反対の

立場を表明した。

タクシン関連以外でもアピシット首相には頭の痛い問題が浮上して来た。

新政権となっても、変化が感じられない事に国民の不満が溜まり出した様に

感じている。

一国に変化をもたらす事は米国、日本等を観察しても大変な事なので

あろうなと思われる現実となっている。

この記事を書いている時点においては、2月26日のタクシン氏の資産に

関する判決日を控えて緊張が高ぶって来ている。

一説には、この日の為の巨額の資金が、海外より赤組に送り込まれたとの

報道もある。

これに先立ち、タクシン氏の息子と娘の証言も行われた。

基本的に両者は、父より多くの資産の譲渡を受けているが、これは父が

首相としての職権を振るえ得る以前に譲渡されたものであり、今回の裁判よりは

外されるべきものと主張している。

しかし、他の証拠では、確かに名義は子供達になっているが、それの議決等の

サイン権は父親がなっているとの証拠もある様で、とにかく2月26日には騒動が

ある事が懸念されている。

日本でも、知らない間に母親より多額のお金を貰っていた人が、

指摘されると”驚きました。納税します。皆さんもしっかり納税しましょう”

にはあきれ果ててしまうが、もし我々が掛かる事態となった時、未納税であった

期間が計算され、加算課税の憂き目を見るのではないかと思うが、この処置は

なされたのか疑問を感じている。

上記の様にタイでは、タクシン氏の760億バーツをめぐり連日その報道が

なされていた。

息子は2000〜2002年に父と母よりシンの株234百万を貰った。

2006年1月20日、シンの株をAMPLE RICHより1バーツ/株で買った。

それを2006年1月23日、TEMASAKに約50バーツ/株で売却、

171億バーツの富を得た。

娘も同じ時期に、同じ手口で235億バーツの利益を得ているのに未納税。

国税は金利1.5%/月の加算課税を含め、120億バーツを個人所得税として、

タクシン氏の判決の如何に関わらず納税せよとも迫っている。

二人は証券取引所を通していると反論しているが、国税は取引所外でのもので

あったと主張、ここにも注目が集まっている。

多くの警官、軍隊まで動員して、ものものしい警護の元、タクシン氏の資産に

付いての最高裁の判決が言い渡された。

7.5時間にも亘る長時間の判決文の読み上げがあり、結局、予想通りというか、

タイ流というか、約60%の464億バーツが国に没収される事になった。

この464億バーツに付いては、首相の職権を乱用して得た富であるとしたもの

である。

タクシン氏は、これは政治の茶番であり、世界はタイの政治の冗談と酷評している。

全く受け入れられない判決と当然の事ながら強く反発した。

しかし、全額没収では赤組としても到底受け入れられない結論と思われるが、

40%近くは残った訳ではあるし、その後の動きは今の所静かである。

上記の子供達の税金120億バーツ問題があり、更に今回の判決である程度の

首相の職権乱用を認めた為、更なる訴訟(タクシン所有のAISに便宜が与えられ、

TOTとかCATに被害が発生しているとするもの)が持ち上がって来る事が予想

されており、タイの安定にはまだ先の遠い道程がありそうである。

日本でのテレビ、新聞等の報道を見ていると、新卒の若者の就職難が数多く

報道され、定時制の卒業生等は自分の身の置き所が無くなると、悲痛な叫び

声を上げている人々も多い様に思われる。

職を失い再就職先が無いという人も多い。

これ等の人々に住まいや食事を提供しようと、走り回っている人々もいる。

いつも思う事であるが、この様な人々を農業に駆り立てる方策は無いもの

なのかと、当地との比較に於いて思う。

一方に於いて、誰も担い手が無い多くの農地が、休耕地として荒れ放題に

なっている事を報道する番組もあり、この両者を結び付ける方策に税金を

投入すべきと切実に思っている。

有名な芸能人が山梨で大きな休耕地を借り受け、農業に参入するとの

テレビ番組も見た。

今は税金の無駄使いに奔走している民主党と見えるが、使い道に付いて

(富裕層に子供手当てを支給するのか?)の議論ももっとするべきと感じている。

失業者は農業、漁業、林業に強制的に付かせる法律等は出来ないのであろうか。

タイに学ぶべき点は、今の日本には多い様に感じている。

テレビ報道によると、沖縄の那覇市では、失業者に遺骨収集の仕事を提供、

双方共に成果を上げたと報告された。

結構な事ではないか。

こういった税金の使い方を、国を挙げて、大いに行うべきと思っている。

異常な大雪で雪に埋もれたワシントンDCやホワイトハウスの写真が紹介された。

タイ人の中には米国が雪に埋もれ、静かにして居てくれれば、世界も平和に

なるのにとのコメントする人が少なく無い。

”オバマ人気も今ひとつ、世界一になったトヨタは狙い打たれたね”

”今までは「YEA SIR」の一点張りであった日本政府が、普天間の件では

優柔不断、これもトヨタに向いたね”

”東南アジア、中国に尻尾を振る鳩山・小沢はこれまた狙い打たれたね”

タイ人も面白い見方、コメントをすると感じ入っている。

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