M&A月報No.98 「石油価格高騰とタクシン首相の新指針発表」

 

一時は17バーツでも高いと思ったガソリン代であるが、石油価格の高騰を受け、
遂に24バーツを突破した。
それでも好景気のせいか交通渋滞は相変わらずである。

渋滞中の車に乗っていると、ガソリンの無駄使いも気になり、苛々は更に募る。
初乗りが35バーツと割安感のあったタイのタクシーだが、遂に当局は値上げの
検討を10年ぶりに開始した。
人々は電車に切り替えるのか、渋滞が緩和の方向に向かうのかが注目される
所である。

その期待される地下鉄であるが、開業して1年が経過したが、利用客は当初の
予想を大きく下回っている。
1月に起きた衝突事故、その後の停電事故等が利用者の減に繋がっている
のかも知れぬ。

更なる延長路線が発表された事でもあり、又、交通渋滞の緩和、ひいては
ガソリンの節約の為、大いにサービスの向上、並びに安全に努め、利用客
の増に繋げて欲しいものである。

石油価格の高騰により、人々が景気の先行きに懸念を持ち出している事に
鑑み、タクシン首相は新たな指針を発表した。

冒頭、ガソリン等は上がっているが、パニックにならぬ様コメントし、タイの
経済は決して悪い状態では無い事を強調した。
基本的には、不要不急の政府支出を抑制し、国家公務員の給与を増やし、
最低賃金も増額する。
更に、民間企業が自社の従業員に給与を増額出来る様な税制の改定を
行うというものである。

即ち、

1. 国家公務員の給与並びに退職金の5%上積み。
2. 最低賃金の2〜8バーツの増額。
3. 企業が従業員の生活援助金を上積みした時の税の恩典。
4. 地方の村落への援助金支出。
5. 地方において雇用を創設した時には援助金を提供。
6. ディーゼルガソリンの価格抑制。
7. ガソリンスタンドの午後10時〜午前5時までの営業停止。
8. 広告塔の午後10時以降の点灯禁止。

何時もの事であるが、彼は動きが早い。
そしてスピーチの最後には、「私を信じて私を国の為に働かして欲しい。
皆さんは私を愛したり、好きに成ってくれる必要は無い。国を助けて欲しい。
私は最善を尽くす。」と結んだ。

派閥の票読みと、献金にのみ興味のある政治家集合とは一味違う事を感じる。

南部地域で継続的にテロが発生し、政府関係者他を梃子摺らせている。
電話等の通信網の盗聴、集会の監視、報道規制等々の対策案を政府は
打ち出して来ているが、マスコミ等の反発も招いている。
安全が売り物のタイである。

とにかく、話し合い、理解を深め合い、平静に早くなって欲しいものである。
国王よりはこの勅命の導入は慎重にやるようにとのコメントが出された。

政府は最低賃金を2から8バーツ引き上げる事を閣議で決定した。
これは8月1日より適用される。
引き上げ後は、バンコク等が181バーツ/日で、問題の南部は最低の
139バーツ/日となる。
これを基準として、今後昇給の交渉が各社で始まる。
いた仕方のない水準とも思う。

原油価格の高騰、インフレ率等を考慮し、中央銀行は金利を2.50から
2.75に引き上げた。
今年に入って3回目である。
これによりバーツも強含みの傾向となって来た。

道路網は随分と整備された新国際空港周辺であるが、肝心の空港は更に
開港は延期され、来年の9月と一年遅れになる見通しが担当大臣より
発表された。
いささか残念な気もするが、安全を第一にして開港して貰いたいものである。