M&A月報No.93 「タイ国総選挙’05」

 

2月6日、予定通り総選挙が行われた。
前日並びに当日は、いつもの事ではあるが、公の場所では飲酒を
禁止している。大きな騒ぎは無く無事終了。

72%を越える高い投票率で、人々の選挙に対する関心の高さが
良く分かる。

投票時間が8時から3時までと非常に短い。
何故かと聞くと夜遅くまでとすると票の買収が横行するからと、分かった
様な分からない様な返事が返ってきた。

バンコクに住む低所得者層に聞いてみた。
タクシン支持という。
理由は、「彼は景気を良くしてくれ、雇用の不安が無い。
次々に面白いアイディアを出す」等であった。

IMFよりの借入金も期限前に完済。
タイは援助される国より援助する国になったと、日本等よりの援助を断り、
対等なパートナーをうたった事も国民の喝采を受けた。
この転進を良く理解出来ていない日本人が多いのが気になる。

津波の被害に対しても、即現地入りして、陣頭指揮を取った事も今回の
選挙では大きな獲得点となった。
予想通り、タクシン率いる愛国党は、北部の農村地帯は無論の事、
バンコクを含む大都市でも地滑り的大勝利を収めた。

但し、その対応を批判しているイスラム系住民の多い南部三県のみでは
惨敗であった。
500議席の内376議席(改選前は320議席)を確保。
野党第一党の民主党の95席を大きく上回り、単独で過半数を
大きくオーバーする歴史的圧勝の結果となった。
その他では国民党28議席、公衆党1議席である。

結果、今まで連立を組んでいた国民党とは袂を分かつようである。
民主党のバンヤット党首はこの大敗北の責任を取って辞意を表明した。
よほどの事件がないと今後4年間はタクシン首相の天下が続く事になる。

しかし、タイの選挙は日本とは異なり、そうあっさりとはこの数は確定
しないのである。地方では一票500バーツと公然と言われている。
買収工作に対する訴えがあると、ELECTION COMMISSIONで審議され、
疑義がありレッドカードとなると当選取り消し、再選挙がその地区のみ
行われるのである。
イエローカードの場合は、再度この選挙に臨む事が出来るのである。

再々選挙となる事もあり、最終確定はかなり先の事になるが、
タクシン勝利に変動は無い。

選挙後の世論調査によると、下記の項目を国民が強く望んでいる
事が判明した。

■今後もっとも期待する政策3件
1. 小中学校の学費無料
2. 麻薬撲滅戦争の更なる徹底
3. 農民への低金利ローン

■緊急の課題3件
1. 汚職追放
2. 南部の平静化
3. 物価高騰の対策

■政府への要望
1. 誠実、公正
2. 公約の厳守
3. 個人の欲望の追及をせぬ事

願わくば一族の利益追求は程々に、政局の舵取りを行い、苦言を呈する
側近を大切にして貰いたいものである。

チュラロンコン大学の調査で、今回の地震により、バンコクの地盤が
南西方向に9センチ動いたと発表された。
高層建築物、高速道路、BTS等の安全は大丈夫なのかと気になる
発表である。

プーケットでは観光客が激減し、逆にホアヒン等では激増している。
最早復興し、安全とPRにこれ努めているが、更に多くの特別割引の
プロモーションがホテルその他より発表されている。
今が行くチャンスかも知れぬ。

事故以来運行を中止していた地下鉄だが、1日運行を再会した。
しかし、5日にタイ電力公社よりの供給に問題があったとして、
3時間の停電騒ぎが起こった。
関係者のレベル向上が必要な様に感じる。

新空港の建設は進んでおり、周辺の高速道路の整備も活発に行われている。
しかし懸念されている9月の開港に付いて、今般責任者より6ヶ月の遅延が
正式に表明された。

但し、タクシン首相の顔を立てて、9月29日には何らかの飛行機が着陸し、
タイお得意のSOFT OPENINGが表明される予定である。
その後、6ヶ月を掛け、進捗が遅れている空港管制関係の整備が
行われるとの事である。

タイらしいやり方である。