M&A月報No.126 「国王陛下御退院と12・23総選挙へ」

 

11月1日タイの外相ニット氏が東京を訪問、高村外相と会談した。
これは1日より発効するEPA(日タイ経済連携協定)の初会合に出席の為である。
協定運用上の手続き規則を確認した他、経済協力の拡大に付き打ち合わせた。
貿易関連や人の移動に付き、4つの小委員会を発足させることで意見の一致をみた。
2006年の貿易総額は4兆6300億円であるが、2016年には日本よりタイへの
輸出の97%、タイから日本への92%に付き、関税が撤廃の運びとなる。

また日本はマンゴー、パパイヤ、エビの関税を即時撤廃、タイは2014年までに
自動車部品の関税を各々撤廃する。
両国間の協力が更に活発化する事を念じたい。

国王並びに姉君の健康状態が案じられる情報が流れているが、国王は順調に
回復基調との事で人々を安堵させている。
12月5日には80歳の誕生日を祝られる事になるが、それに先立ち、華麗なる
御座船のパレードがチャオプラヤ川で行われた。

即位60周年行事の時にも行われたが、古式豊かな華麗なる絵巻である。
50隻を超える船が、約5キロを、2,000人のこぎ手で進むものである。
ラマ6世の時代に作られた、45メートルの大型船には、入院中の国王に代わり、
皇太子殿下がお乗りになられた。
現国王になってからのこの60年で、16回目の挙行の由であった。

多くの国民が黄色の衣類を着て、国王のご病気回復を祈った。
7日に退院されたが、来月12月5日にはお元気な姿を見せて欲しいものである。
この退院時に、国王はピンクのシャツに、ピンクのブレザーを羽織って報道陣の
前にお進みになった。

これが、国民に大きなインパクトを与えた様で、競って、ピンク系の衣類購入が
大流行となり、品切れの悲鳴が起こる状況となった。
また姉君をお見舞いの折は、紫色のブレザーを着られた。
これも流行色になりそうである。
今更ながらに、国王の影響力の大きさを思い知らされる出来事であった。

12月23日の総選挙に向け、次第に動きが活発化してきた。
タクシン率いる愛国党が下院500議席(今回は480議席、選挙区400、比例代表80)
の内377議席を獲得していたが、解党後、この動きがどうなるかに注目が集まっている。

PPP(PEOPLE POWER PARTY)が目下の所最大の受け皿になりそうである。
党首にはタクシンの崇拝者、前バンコク知事のサマック氏が就任、250議席は
獲得すると威勢の良い見通しを述べている。
(北部55、東北部100、中部40、バンコク15、比例代表40)

タクシン氏の豊富な財源を後ろ盾に実弾攻勢をかけると、立候補者は新人でも
当選の可能性は秘めている。
250議席は無理としても、190議席は獲得するとの予想も有り、第一党になる
可能性は大と言われている。
これに反発する軍部関係が、どの様な対応に出るかが注目されている。

野党第一党であった民主党だが、政権を担当する可能性があると見た企業よりの
献金は増えているが、南部では圧倒的な強さであるが、北部、東北部でPPPの
牙城を崩せず苦戦を強いられている。
予想では、128議席という見方もある。

また一時はタクシン政権に組していた、中堅政党チャートタイ党との連帯を
強調しているが、これが裏目に出る危険性も秘めていると思う。

野党第二党であった国民党には愛国党の一派閥並びに大衆党が加入し、
バンハーン元首相の下、時期連立政権に参加を企てている。

愛国党を離れた議員が3つの党(中道主義党、国家貢献党、国民党)を形成している。
各党とも数十議席を獲得する見通しであるが、これらがどの党と連立を模索すのか
に注目が集まっている。
PPPよりは重要ポストに党首を据えるとの甘言により抱き込み工作が行われている。

首相候補としては、今回実施の世論調査では、民主党のアピシット党首が55%
の支持率で、2位のサマク党首14%を大きく引き離している。
しかし選挙区400議席、比例代表80議席とも、PPP(選挙区180議席)が
民主党(選挙区160議席)を押さえ、予測としては一位の座にある。
選挙結果による連立に大きな注目が集まる。

タクシン氏の帰国、院政も可能性を秘めた展開となって来た。