M&A月報No.123 「日米英の年金事情とタイ新憲法の国民投票」

 

今後の日本の動向に大いなる影響を与えたと思われる参院選挙であったが、
当地での投票はバンコクで788人、チェンマイで119人合計907人と発表された。

期間も13日より23日と長く、土曜、日曜も投票可能。
時間も9:30から17:00。
駐車場も完備した新装の日本大使館でバンコクは可能。
有権者を2万人とみても、余りにも少ない数である。
長い年月を掛け、海外在住者に選挙の道を開いて下さった人々の苦労と
努力を思うと、大変残念な数字であった。
他の海外は如何な数字であったのか気になる所である。

今回の自民党大敗の一因として、社会保険庁の杜撰な状況があったと
言われているが、私事で恐縮だが、米国、英国の実例をご披露したいと思う。


45年前に米国で3年間勤務、20年前には英国に7年間勤務した。
10年以上勤務せねば年金受領対象とならぬと言われていたが、
先般米国の法改正もあり、英国も併せ申請をしてみた。

無論、年金番号も不明、領収書も無く、給与明細等何も無く、名前と勤務した
社名、住所、滞在期間等を手紙で当局に送付した。
所定の用紙への記入、戸籍謄本、パスポートの添付等の作業はあったが、
米国は一年半、英国は8ヶ月で年金を支給して来た。
出頭要請は無く、手紙、FAX、電話、メールによる交信のみであった。

日本では、ソフトに1兆4千億円使っており、更に新ソフトが必要な由。
しかも面談出来る日本人だけでも大混乱。
米国、英国等のシステムを勉強した事があるのかと聞きたい。

また彼等が、当時は該当しなかった、外国人のデーターまで保管していた
事に驚きを禁じえない。
人様のお金を預かっているとの基本認識に、日本は非常に欠けているのでは
なかろうか。

45年前、20年前に日本で働いていた外国人が日本の年金を年金番号や
諸資料が無く申請したら、どう対応するのであろうか。
税金の無駄使いのみならずお寒い話である。
この様な他国との比較が議論とならず、マスコミも全く取り上げないのは
何故であろうか。
円安も納得出来る、日本の国際社会の中での遅れを感じさせる事例であった。
タイ国の方がまだましかなと感じる日々である。
諸外国よりも火の手が上がらぬ事を念じたい。

また海外に在住していると、我々の血税が、大きな金額でばら撒かれているし、
無用な天下りの受け皿も多数海外に存在する事を感じる。
海外での大判振る舞い、その費用対効果の検証が何故国会で議論や選挙の時
に話題にならないのであろうか、不思議に感じる。

クーデター後、最大の懸案事項となっていた憲法改正の国民投票の前日、
スラユット首相は取り巻き4人と優雅にゴルフを楽しんでいた。
余裕なのか日本では考えられない光景であった。
これも自信の表れであったか、60%弱の投票率で、賛成58、反対42で
憲法改正は目出度く実施される事となった。
めでたし、めでたしである。

タクシン氏が地盤としている東北部では賛成37、反対63であったが、
バンコク近辺、並びに南部では賛成が約67、反対33の結果であった。
これで予定通り、年末の総選挙実施となる見込みである。
現在の所、選挙日は12月23日と言われている。

この結果、総選挙日まで残り約4ヶ月、新党旗揚げや、合併、政界再編が
加速され出した。
タクシン氏が率いた愛国党が解散の状況となり、複数の新党に離合、
集散される見込みである。
軍部よりの立候補者が出るのか、ソンティ氏や軍部の動きにも大きな
注目が集まっている。

今の所、愛国党のような絶対的な党の出現は見込み薄で、何れにせよ、
選挙後、連立政権が話題の中心になる見込みである。

延々と論議されて来ている外国事業法の改正であるが、一部議員より、
出資比率と議決権だけではなく、経営権も入れるべきとの提案がなされた。
これを入れると、現状ではタイ企業と看做されているものの内、約2万社が
外国企業と定義される恐れが出て来て、更なる改正案が必要との見方となり、
同法案の決定は見送られた。


これにより、同法案は現在の暫定政権下では纏まる可能性が減少し、
来年に持ち越される様相となって来た。
外国企業の不満、圧力、更には現在の景気減速状況等より、性急なる決定は
先送りした様である。

裁判所よりの出頭命令を無視して来たタクシン一族であるが、遂に夫妻に付き
逮捕状が最高裁から出された。
タクシン側弁護士の対応に注目が集まる。