M&A月報No.122 「デモ騒動勃発と日本参院選挙」

 

スラユット首相が年内の総選挙実施を強く求めたのに対し、軍部代表の
ソンティ議長は、諸般の手続きの日程より困難であると持論を述べた。

誰が調整したかは不明だが、これでは首相と軍部の足並みが乱れていると
勘ぐられる、軍部関係者が自分達の延命を画策している、早く民間移行を
求めている国際社会の反発も招く等々の理由と思うが、ソンティ議長は前言を
引っ込め、年内実施に最善を尽くすと発言修正を行った。
プレム氏の陰がまたちらついた様に感じる。

そのプレム氏の自宅に、数千人の反クーデター派がデモを仕掛け、それを
阻止しようとした警官隊と激突、100人を越える負傷者が出た。
今の所、軍部は警察に任せ、出動態勢を取って居ないが、デモ隊の中には
著名な人物も入っているが、政府関係者は背後にタクシン氏の意向が働いて
いると激しく非難している。
人望あるプレム氏にかかる方法で圧力を掛ける事は、藪蛇と認識すべきと思う。

様々な分野の有識者を集め、新憲法の草案を策定したいたが、今般これが
纏まった。
草案は上下院の議員数を削減したり、首相の任期を2年に短縮を盛り込み、
評価される側面は見せているが、一方、軍部のクーデターに恩赦を盛り込んだ
事や、仏教の国教化を盛り込まなかった事で、可也の反発も予測されている。


8月19日に国民投票が実施される。
愛国党の支援者や仏教団体は反対に回る可能性が大で、果たして無事通過
するかは予断を許さない。
これが遅れると、総選挙が遅れる事になり、有識者も賛同を表明、とにかく
通過させて貰いたいものと思う。

クーデターを指揮し、2大政党の解党を画策したソンテェ議長が、今年末の
総選挙に立候補する様相を呈して来た。
衣の下でちらちらしていた兜が遂に表われて来た感じである。
今までは奇麗事を言っていたが、やはり本心は政権の座に自分が着きたかった
のかとの失望が沸く。
それとも座ってみると余りにも居心地が良い為変身したのであろうか、何れにせよ、
彼が政権を握る様な事が無い事を念じたいし、タイ有権者の良識を信じたいもの
である。

タクシン氏は何を考えているのか、英国サッカーチームで有名な
MANCHESTER UNITEDを約200億円で買い取った。
首相時代はリバプールを買おうとしたが失敗、余程サッカー好きな様である。
またこのお金の出所を巡り騒がしくなりそうである。

株価の高騰、バーツ高が話題となっているが、そのバーツ高の影響で遂に
大型倒産が発生した。
繊維業界の大手で突如5,000人の社員を解雇した。
余りにも突然の事で、従業員が抗議の集会を開いた。
このままバーツ高が続くと、更に倒産が増えそうな様相を呈してきた。
先回の無謀なバーツ高対策に懲りたのか、関係部門は慎重姿勢である。

ところが、翌日、報道の大きさと騒ぎの拡大を懸念してか、タイ繊維協会が
4,000万バーツを緊急融資し、操業の続行を行う事になった。
繊維業界は30万人が職を失うと警告しており、本件が悪例にならぬか
懸念される所である。

静観していた当局であるが、次の6項目を発表した。

1. 上場企業の対外投資を1億ドルまで認める。
2. 法人、個人による外貨預金の一部を自由化する。
3. 海外送金を100万ドルまで規制緩和する。
4. 輸出決済は120日以内に行う必要があったが、それを360日まで
期限延長する。
5. 販売や預金で海外より受け取った外貨は15日以内に両替する規制が
あったが、これを撤廃した。
6. 機関投資家の海外運用は中銀の認可を必要としたが、これを自由化した。

これでは余りバーツ高阻止には効果が無いのではとの見方が多い。
次の手に注目が集まる。

過去4回の出頭命令を無視して来た、タクシン夫人、その子供達並びに秘書に
逮捕状が出状される雰囲気となって来た。

シンガポールで療養中とコメントしていた夫人であるが、現在はロンドンに滞在中
との事であるが、寄付も拒み、余りにも勝手な行動を取っていると、取り返しの
付かない局面を迎えそうな気もする。

注目された日本での参院選挙だが、民主党の圧勝が我々に報じられた。
当地ではNHKや新聞報道しかNEWSソースは無いが、民主党が勝ったという
よりは自民党がずっこけた敵失との感がしている。

アメリカでは新聞の一面で報じられた様だが、当地の新聞では、五面程度の所
に小さく報じられたのみである。
これだけ日系企業の貢献度の大きいタイでも、日本の政治動向に対する関心度が
低い事を物語っていると、残念ながら思わざるを得ない。

この様な地位の低さは日本では認識されているのであろうか。
円の評価も低くなり、円安状況でもある。
今後輸入品の価格高騰が気に成る。

我々が思うほど、彼等は日本の状況には興味が無いのであろうか。
高級官僚を多数抱えるエリート集団の外務省、一体どの様なPR活動他を行って
いるのか聞いてみたい所である。

今の日本、官僚主導の無駄な組織や官僚が多過ぎ、無駄な歳出が削減出来て
いない事を感じさせる参院選でもあった。