M&A月報No.119 「反政府集会の活発化とその後のタクシン氏動向」

 

一ヶ月のお休みを頂き、連休明けにバンコクに帰ってきた。
日本では日暮れ後は寒く、ヒーターを付けていたのに、やはりタイは暑く、
高い湿度を感じる。
聞けば、連日雨が降っていた由であった。

久し振りに見るタイ人の顔には、何故か日本では感じられなかった、生活を
楽しんでいる微笑を見る。
連日、日本のTVで見せられた、殺人、事故死等々の悲惨なニュースの多かった
故であろうか。


たまにしか日本でのTVを見る機会が無いため、我が家では、従来の地上波しか
見られないが、今更ながらに、程度の低い、お笑い中心の、教養無き番組の
多さに驚かされる。隠居して一日中TVを見ていると痴呆が進むような気がしたし、
外に出ると微笑が無いのは、陰に篭って笑っているせいであろうか。

教育云々の前に、TV番組の改善を図っては如何なものであろうか。
経済大国、大企業は増収、増益、個人よりも多額の所得税を徴収しているのに、
地方財政の破綻、貧困家庭、高齢者への援助金削減等々何かバランス感覚が
ずれている感がする。


ODAと称して多額の金をばら撒いているが、一体費用対効果の検証は行われた
のであろうか?企業であれば当然リストラが行われる状態だ。
官僚を半分の人員にし、国家予算を半分のみ使うとすれば、どういう事が起こるか
検証しみてはどうかと思う。

昨年4月に行われた総選挙時に、数々の不正があったとして、憲法裁判所が審議を
重ねてきたが、30日、その結果が発表されるとの事になった。
もし判決で有罪となると、愛国党並びに第2党の民主党が解党の憂き目に合う事になる。
2党の執行役員167名は、新党の結成、政党の執行役員への就任、被選挙権が
5年間取り消しとなり、多数の実力政治家が活動出来なくなる問題をはらんでいる。
これに備え、愛国党は大規模なデモを行うべく、地方より人々をバンコクに向かわ
させている。


これに対し、24日、国王の拝謁を得るため参集した、最高行政裁判所判事団に
国王が異例の訓示を行った。

“憲法裁判所の件でまた問題を提起してくれた為、私を悩ます問題が発生した。
憲法裁判所は憲法の事のみに関与すべきだ。
私の胸の内には私なりの考えがあるが、今は言うべきでは無いと思っているし、
あなた方もそうだ。国はどんどん沈み出しており、このままでは水没してしまう。
政党の存廃に関わらず、判決後に国内が大混乱に陥らぬよう配慮する事が肝要。
これを回避する責務がある事を認識し冷静に判断する事を願う。“

と指示された。
これにて、2大政党を解党させる事は困難になったとの感触を持った。

30日たまたま当社会長のPOW SARASIN氏と夕食を共にする機会を得た。
本日の午後の民主党に対する判決は、無罪と出たが、これは国王の発言が
関連していると思うかと質問すると、“当然であろう。”との回答。

”愛国党への判決は深夜に成ると思うし、有罪になると思うが、明日騒動は起こり
得ると思うか”

と質問すると

“だいたいマスコミは騒ぎ過ぎる。何も起こらないよ。明日は祭日ゆえ当然GOLFだよ”

この答えで今回も平穏無事を確信した。
タクシン一派に金を貰い、地方より抗議に駆けつけ様とした面々であるが、個人
個人の手段でバンコクに来る程の資金は無く、乗り合いトラックでやって来るし、
これには笑ってしまったが、行き先を知らない。
よって簡単に軍隊、警察の関係者により帰らされてしまった由であった。


愛国党は予想通り、有罪判決、これにて執行役員であった111人の政治家が
5年間被選挙権を奪われる事になった。
暫定政権で一年間の約束で政権の座に軍部関係者が着いているが、やはり
権力の座とは居心地の良いものなのであろう、延命を考え出した様に感じる。

判事団は自分達のお気に入りで形成し、2大政党を有罪にし、5年間は有力、
大物議員が立候補出来ぬ様にし、この間軍部関係者でこの国を牛耳ろうと
した様に思う。


これに危機感を抱き、国王に奏上したのが、特別秘書のARSA SARASIN氏と
衆目は見る。これを聞き入れ、上記の異例な訓示と成り、民主党解党は
水に流れた。

約束通り、年内に総選挙、民主党躍進、軍関連の政党や愛国党の一部と
連立政権を樹立するというのが大方の見方となって来た。

国の方向がおかしくなると、長老が動き、国王に具申、国王がその線で動き正常化、
このパターンが末永く続いて欲しいものである。

ミヤンマー、ラオスの国境近辺で地震が発生、バンコクでも体感した人々が慌てて
非難する騒動があった。
幸いに建物等の被害は何も報告されなかったが、全く耐震構造には無頓着に建て
られた建物、道路等を日々見ているだけに、大型が来ない事をただ念じるばかりである。

例年通り、皇太子殿下他の王族が出席して始耕祭の行事が執り行われた。
牛は米、トウモロコシ、草を選んだ。
それは今年は程よい雨量で稲作や農産物に恵まれるとのお達しである。
また反物で占う天候は、降雨量は最適で豊作と出た。

占い通りである事を念じたい。