M&A月報 No.219「Bike for Mom と エラワン廟爆発事件」

 

皇太子殿下の肝いりで、83歳になられる王妃様の誕生日祝賀行事として、

“Bike for Mom”と銘打った、自転車による43KMの走行が、バンコク市内で執り行われた。

 

皇太子殿下も、サイクリング乗りの装束に身を固められ、プラユット首相以下の閣僚、高官を従えられ、

颯爽と先頭を切って走行された。

参加者全員、王妃様の色である青色のシャツを着ての参加となった為、街中が青一色染められた

素晴らしいイベントであった。

しかし自転車には長く乗った事の無い、政府高官には、辛い一日になったのではと愚考している。

当局の発表によると、294,800人の参加と成り、ギネスブックの記録、72,919人を大きく書き替える

世界記録となった。

 

自宅に戻ってほっと休息した17日の夕刻7時過ぎ、突如、近所のビルに雷が落ちた様な音がした。

外を見ると雨も降っていない。しかも一発のみ。

おかしいなと思っていると、自宅の前を、夥しい数の救急車、パトカー、消防自動車等が通過して行く、

ベランダに出ると、数百M先の交差点付近で炎が立ち上り、人々が右往左往している様子が見られた。

 

 

何事かとTVのチャンネルをタイの放送に切り替えると、爆弾がさく裂した事が報じられていた。

東京で言えば、銀座四丁目の交差点で爆発があった状況である。

22人が死亡、100人を超える人々が負傷したと報じられた。

多くの中国、フィリピン人が含まれて居るとの事で、残念乍ら、日本人も一名重傷を負った。

 

翌日には、一名の容疑者の写真が公開された。

一方、13日のFACE BOOKに、赤シャツ派と目されるタイ人男性が、14日から18日まで、バンコク市内は

危険であるとの注意文を載せている事が判明した。

これ等の事より、事件の後ろに赤シャツ派がいるのか否かの究明が、これから暫定政権の面目を掛け、

調査が行われて行くものと思うが、もし赤シャツ派の関与が明確になれば、今後の政局に大きく影響を

与える事件とも思っている。

 

しかし、個人的には爆発した場所は、エラワンHOTELの前であり、オーナーは親タクシンとも言われており、

この線は薄く、むしろ、過日中国に送還した、ウイグル族の報復の見方の方が有力と感じている。

 

タイのTVよりも、むしろ早いぐらいに、日本のTVが本件の放送を行った事に驚きを感じている。

例によって、翌日には、周辺は綺麗に清掃され、警官の姿も殆ど無く、何事も無かった様な顔を見せ、

隣接する、SPORTS CLUBでは富裕層のタイ人がGOLFに興じている様子も見る事ができ、

日本よりは多くのお見舞いを頂戴したが、文化の違いというか、この落差に、今回も驚きを禁じ得ない。

 

その18日には二つ目の爆弾が、チャオプラヤ川にある高架鉄道の駅で破裂したが、

幸いに川に着弾した為、被害は軽微であった。

早期に容疑者を確定し、逮捕される事念じて居る。

観光客は激減、交通渋滞も緩和され、当地に住む者には快適な環境となっているが、

観光業に関連する業種には厳しい環境が続きそうである。

 

30日、警察は写真の男を逮捕した。

住んでいた所からは、爆弾を制作したと思われる数々の品や、多数のトルコの偽造パスポートが押収された。

まずはほっとしているが、共犯者が未だ逮捕出来ず、緊張は続いている。

逮捕された男は、何も喋っていないが、やはりウイグル族の送還で、トルコのタイ大使館を襲撃した

イスラム系の犯行が最も有力と感じている。

 

プラユット首相が内閣改造を行った。

13のポストで改造が行われたが、発足当時の軍人色の強かった人事より、実務型に舵を切った

感じを持っている改造である。

目玉は、経済政策を牛耳っていた、プリディヤトーン氏からソムキット氏に変更した事であるが、

ソムキット氏は、タクシン政権時代の同氏の右腕であった人物であり、その起用には多くの雑音が出ている。

しかし、融和を唱える首相にすると、当然の事かも知れない。

また同氏に付いては、次期首相候補とする声も多く、今後の同氏の手腕に着目したい。

 

今後10年のタイを考察すると、鉄道網の整備、並びに高速道路の建設が、最重要アイテムになると考えているが、

今般、驚いた事に、話題になっている高速鉄道計画の中の、バンコクーパタヤーラヨーンの194KMに付いては、

鶏、豚、エビで有名なCP GROUPが名乗りを上げ、バンコクーホアヒン(環境影響評価は済み)の211KMは

ビール他の飲料水で有名な、タイ・ビバ社が手を上げたと報道された。

 

CP GROUPは香港、中国HNAとの企業連合で臨む考えの様で、親中国で有名なCPの出方に注目が集まっている。

タイ・ビバ社は目下白紙で、これに、日本、欧州等がどう対応するのか注視したい。

タイの二大財閥が、早々に手を上げた事で、業界はかなりの速度で活況を呈するものと考える。

正式な入札は、来年6月で、総額1500億バーツと見込んでいる。

タイの運輸省は、これからの鉄道網整備には、民間に具体的提案を求めており、各国、各社の動きが活発化する事が、

容易に想像できる。

 

バンコクーラオスー昆明の約1500KMに付いては、政府は今年末着工と発表した。

技術、資金は中国に依存する予定である。

またタイ東北部への路線も中国の協力で10月に着工を仄めかしている。

 

筆者は、当初よりアベノミクスに異論を唱えて来たが、株価は上がったが、国の借金は更に増え、

円安、物価上昇等負の側面をも見せる様になっている。

一方、安全保障の件が、国会で喧々諤々の議論がなされているが、タイ人よりすると、何故70年も前に

米国より押し付けられた憲法に固守するのか、現在でも問題が無いものなのか、自衛隊は日本の軍隊、

日本国民が脅かされた時は自国を守ると、何故憲法改正しないのかと言うのが当地での通説で、

この件には関しては、筆者を含め、安倍政権の支持派が多いと感じている。

 

中国の属国にはならぬが、友好は保つとするタイ国は、米国を強くけん制する意味も込め、

中国の援助で鉄道網の整備を行うとか、潜水艦を買うとかのゼスチャーを示し、国の安全保障に努め様としている。

自国の潜水艦3隻を買ってくれた国を攻めうるのか、タイ国とは面白い発想で外交を展開していると思う。

日本に取って学ぶ点は無いのであろうか。

戦闘機を10機でも購入しては如何であろうか。

 

“Climate change greatest threat facing US,world”なるオバマ大統領の発言が新聞に大きく掲載された。

タイから見ると、オバマ政権の頓珍漢な外交、昨今のお粗末な調査、分析能力より招いた、

田舎者になった米国ゆえよとの反応が返って来る。

ある意味、最も親米派であった、タイ国を反米派にしてしまった点をもっと分析、対応して欲しいと念じている。

 

目下のタイ最大の懸念材料は、不良債権と思っている。

インラック政権で、新車購入者に補助金を出した為、我も我もと新車を購入したが、その後返済が出来ず、

かなりの額の不良債権化していると懸念されていたが、今般の干ばつで、農村に大きな被害が発生し、

農民が借金返済不能に陥り、更に不良債権の額が増加した事が話題となっていた。

今般、タイ中央銀行の発表によると、約3115億バーツに達していると警鐘を鳴らした。

今後更に増大しそうであり、目を離せない状況となって来ている。

 

日本の新聞を読んでいると、何時も感じる事であるが、よほど、成長、好況がお好きな様であるが、

タイの様な国では、安定した低成長が最も好まれ、バブル、国債の発行増を最も嫌う事を、

もっと認識して欲しいと感じている。

 

また、TV、新聞とも、中一の男女二人が殺害された事が、連日トップニュースになっているが、

この二人が、午前一時とか二時に、誰一人いない繁華街を、歩き回り、午前五時に京都に行くとのメッセージ、

一体この子達の家庭はどうなっているのであろうか。

我が年代では信じられない話であり、両親の一人の声として、可愛い子であったとの発言が聞こえて来たが、

昔は成人の艶話として、朝帰りという表現があったが、可愛い中一が朝帰り、只々驚くのみであるし、

タイではお目に掛かれないマスコミのNEWSと感じている。