M&A月報 No.217軍事政権長期化か? とロヒンギャ問題

目下タイの政治問題は、次なる首相候補の顔が見えて来ないことであると述べて来たが、

今般、国家改革評議会の一部メンバーより、プラユット首相の2年間の更なる続投を

求める声が出て来た事に付き、多くの国民が望むのであれば、政権の座に留まる事も

あり得ると述べ、国民の支持を条件に、続投に前向きに対応する姿勢を表明した。

 

当初、来年初めに予定されていた総選挙であるが、昨今の新憲法の制定作業の進捗状況

等よりすると、早くても来年9月に延期される状況であり、軍事政権が長期化する事は、

さらに、米国等よりの批判を受ける事にもなるが、首相は、

「私は批判は恐れない、批判されればされるほど、気力が湧いてくると」述べ、

ただし、長期間権力の座にいたいとは思っていないとの従来よりのコメント繰り返した。

現在、80%もの支持もあり、新憲法の策定が矢張り難航、次なる首相候補が上がって来

ない現状よりすると、まずは来年9月までの延長は妥当な成り行きと思っている。

 

暫定議会は、暫定政権の提出した、憲法改正案を当然の事であるが、承認した。

これにより、9月には国家改革評議会(NRC)で賛否の審議が行われ、承認されると、

来年の1~2月頃に国民投票が行われる事と成るが、NRCの一部議員は非議員の

首相就任を認める等のこの草案に反対を表明しており、ここで否決されると

起草作業は振り出しに戻り、民政復帰は更に先延ばしされる事になる。

9月の評決を見守りたい。

 

日本の大新聞は相変わらず、“タイ 見えぬ民政復帰”と懸念の論調を掲載しているが、

その国の8割近い国民が支持している事を、どう読むのかをもっと勉強して欲しいと感じている。

バブル経済を否とし、低成長を是とし、国の借金増を否定する国家を、

まず理解してから論調を展開して欲しいものである。

 

自民党の若手の勉強会で、マスコミを批判する発言が飛び出し、日本では物議を

醸しだしている様だが、“開いた口が塞がらない、メディアを懲らしめる的発言が、

いかに思慮浅く、常識にも欠け、斯様な仕儀となる”的論調も新聞に載ったが、

橋下市長では無いが、マスコミは不勉強、思い上がりに過ぎると感じて居る。

 

筆者が熱中する米国のプロバスケット、NBAの決勝戦が行われ、近年まれな名勝負となった。

主役は、両チームのスーパースター二人の活躍で、熱狂したが、何と日本の大新聞は、

優勝したチームにはエース不在であったと記した。

腰が抜ける記事であったが、今の記者のレベルはこんなものかと、分野は異なるが、

失望を禁じ得なかった。

 

初のMERS患者が見つかった。75歳のオマーンから心臓病治療の為、バンコクで

最も有名な病院を訪れた患者より、検出されたのである。

飛行機に乗り合わせた人、病院で接触した人、医師、看護婦等、約200人近くが特定され、

彼等が感染していないかのチェックが始まった。

タイ政府の関係機関は、万全の対策を講じて居るので、拡大の心配は無いとしているが、

市民には不安が広がっている。

感染の拡大が無い事を念じている。

 

バンコクでは、雷雨もあり、かなりの降雨が見られるが、肝心の、東北の農村地帯では

降雨が少なく、コメ作がピンチを迎えている。

シリキットダムの貯水量も少なく、発電にも支障が出てきている。

降り過ぎの、洪水も困るが、不足もまた深刻な影響が出る。

タイには未だ治水に関する技術、予算が不足していると感じている。

 

今まで恥ずかし乍ら、聞いたことの無い、“ロヒンギャ”なる言葉が新聞他で見られる。

バングラデシュから逃れ、ミヤンマー西部で暮らしている、イスラム教徒の事を言うらしい。

大凡100万人規模らしいが、ミヤンマー政府は、不法入国者として扱っている様で、

大半を占める同国の仏教徒より、迫害を受け、厳しい避難生活を行っている由で、

その内の一部の人々が、タイやマレーシアに密航を企てたが、何等かの理由で、

受け入れが困難となり、漂流している映像がTVにより世界中に報道された。

 

更に、調査が進むと、タイやマレーシアで、このロヒンギャと見られる多くの人々の

墓地が相次いで見つかったのである。

密航を手配した人身売買組織が、何等かの関与をしているのでは無いかと大問題化して来た。

タイ政府や警察も、緊急に捜査を開始、陸軍の高官一名を逮捕、事情聴取に乗り出した。

その他、警察の高官、地域の実力者等、119人にも上る容疑者がいると発表された。

本件は、かなり大規模な問題に発展しそうである。

 

日本のある大新聞の社説に、“迫害を抑え込む責任をミヤンマー政府は自覚してもらいたい。

日本政府はASEAN諸国と連携し、ミヤンマー政府への働き掛けを強めるべきだ”

と記載しているが、難民を受け入れた事も無く、お金のみで対処している国の

何と独りよがりな、無責任なマスコミの論評かと感じている。

 

無理矢理難民を受け入れている、ミヤンマーは被害者ではないのであろうか。

バングラデシュで何が起こっているのか等をもっと教えて欲しいものであるし、

何故国際社会はバングラデシュに圧力を掛けないのであろうか不思議に感じている。

 

タイ警察の元高官が、成田で拳銃の不法所持で逮捕されたと報道された。

何故、日本に拳銃を持ち込む必要があったのか、どうしてタイの空港でのチェックで

発見出来なかったのか等が疑問として上がっている。

タイの方では、VIPとして特別出口より出国する人にはチェックが無い杜撰も発表され、

今後の対応が注目されたが、その後の調査では、出国時に身体検査を受けている映像が公開され、

身体、手持ちバッグには入って居ないことが確認され、恐らくチェックインした手荷物内に

入れていたのではと推測されている。

 

それに対し、日本もタイも同じ機具で検査している。

何故日本では見つかり、タイでは見つからなかったのかと、担当部門は追及されている。

それに対し、爆弾の様な大きなものは検出されるが、小さい拳銃は見つからぬとの発言がさり、

更に問題が紛糾している。

 

政府は、首相の強権44条を活用し、71人にも及ぶ、政府高官、地方の副知事等の高官を、

罷免もしくは閑職への人事異動を発表した。

汚職追放に更に拍車が掛かるのか注目されている。

 

当地の新聞には、習近平氏の招きで、スー・チーさんが中国を訪問、両氏が笑顔で

対談している様子が報道された。

これはと思う世界に於ける不満分子に声を掛け、味方に付ける戦術を取っていると

思える昨今の中国であるが、米国、日本より制裁を言われたタイに急接近した事は既にお伝えしたが、

中国離れが進んでいるミヤンマーに動いた事を感じている。

 

ロヒンギャに付いても、また紛争の起こっている少数民族の問題についても、

積極的に動かぬスー・チーさんに失望を感じているミヤンマー人が少なくないと言われている

現状よりすると、この中国の動きは理解出来るが、それに乗ったスー・チーさんには失望を禁じ得ない。

 

よほど何か焦りがあるのか、外国の支援でトップの座に座った人物は、長続きしないことは

歴史が物語っている。期待を持って眺めていただけに、今回の中国訪問には大きな間違いを

犯してしまった様に感じている。