M&A月報 No.211「国王誕生日と警察汚職事件」

 

12月5日は87歳の国王の誕生日、人々は黄色の衣類を纏い、敬意を表し、

盛大な祝賀式典も行われたが、残念ながら、国王のお姿は拝見出来なかった。

病院の発表では、お元気ではあるが、大事を取って行事への参加は見送られたとの事であった。

早く回復され、また公務に付かれる事を念じている。

 

大きな事件が報道された。

即ち、警察の高官一派が、収賄の疑いで検挙されたのである。

彼等は、秘密賭博、並びに石油の密輸に配慮を図り、多額の謝礼を得たとするものである。

家宅捜査の結果、多くの骨董品、金製品、仏像等が見つかったとして、これも新聞紙上等に公表された。

この高官の運転手が5,000万バーツもの高額の現金を保持していたのに、目下の調査では、

現金が全く見つからぬ事に疑問が呈せられている。

 

額の大小はあるものの、この種の疑義は他にもあるであろうに、何故この一派のみが摘発されたのかと

タイ人に聞くと、驚く事に、この高官は、皇太子妃の親族であると聞かされた。

翌日のバンコク時事には、

「タイのワチラロンコン皇太子の事務局は、内務次官に書簡を送り、

シーラット皇太子妃の一族に与えたアッカラポンプリーチャの姓を剥奪し、旧姓に戻させるよう命じた」

と報道された。

書簡は剥奪の理由は述べていないとの事で、当地メディアは詳しい報道は避けている。

 

今後の展開に目が離せないと感じていた所、事は予想を遥かに超えるスピードで展開し、早くも、

ご夫妻は離婚された事が報道された。

驚きを禁じ得ない出来事である。

本件がタイの将来にどう影響を与えるか注視して行きたい。

 

将来の日本に多額の借金を残すアベノミクスには当初より賛同し兼ねているが、NHKの番組の中で、

お名前をひかえる事は出来なかったが、一橋大の名誉教授が、筆者と同じ思いの事を述べられ、

日本を救う道は、只一つ、規制の緩和では無く、撤廃だと仰った。

全くの同感で、我が意を強くした。

 

例えば、筆者は神戸に日本の居を構えているが、何故この近辺に3つもの空港があるのか不思議に感じている。

無論、そこには歴史があり、その時々の事情があった事は重々承知しているが、何故神戸空港には

国際線が開設出来ないのであろうか、疑問に思っている。

 

関空、伊丹、神戸の各空港に全く規制を掛けずに自由に競争をさせれば、お客は何処をどう選択するのであろうか。

こんな市場調査を聞いてみたい気がするし、これにより地域がどれだけ活性化するかも聞きたい気がしている。

個人的には、神戸空港は勝利するし、関空はラスベガス、即ち、エンタテーメント/カジノ村にするのが

迷案ではないかと密かに思っている。

 

選挙の演説の中で、具体的に何処のどの規制を撤廃すれば、如何なる効用があるのかを地方で論じる政党/人が

いない事を残念に感じている。

投票に行く情熱を燃やすことが出来なかった今回の選挙であるが、重い足取りで大使館に行き、一票は投じて来た。

大使館よりは、大きな茶色の封筒に一枚の投票の案内状が同封されて届いたし、何時もの事であるが、大使館では、

10名前後の方々が我々の投票の援助をして下さっている。

700億円と言われているが、これを見ると、もっと掛かっているのでは無いかとさえ思わさせる。

 

結果は投票前から判っていた事であるが、自民党の圧勝で幕を閉じた。

この筋書きを描いた官僚、自民党スタッフに敬意を表したいが、その投票率の低さをタイではバカにされている。

現在の日本の現状は、自民党の一党独裁で、更に4年間、全く問題無しと国民は感じているのかと問われると

返答に窮している。

多くの友人よりは、問題は感じているが、投票する野党/人が居ないんだとのコメントを頂いた。

 

軍事政権になった時に、多くの邦人より“タイは大丈夫ですか”との質問を受けた。

今回は日本に居る皆様に“日本は大丈夫ですか”と質問したい。

 

田崎解説委員の興味ある記事に接した。

即ち、投票日の午前中に安倍首相に電話して話した所、

「マスコミや野党に争点を設定された選挙は負けるのですよ。アベノミクスを野党が争点にした事が大きかった」

野党幹部よりは

「アベノミクスを批判してしまった事が敗因であった。行政改革、定数削減、政治と金で戦うべきであった」

民主党のブレインはこんな事も判らぬのかとあきれてしまう。

民主党は“反省と蓄積”がない政党だとのコメントも付記されていた。

来月には代表選が行われる様であるが、こういう規制を撤廃して、こういう事業で日本を活性化して行く等の、

前向きな政策論戦を聞いてみたいものである。

 

来年6月から施行が予定される相続税であるが、5,000万バーツ以上の資産に対し10%を課税する案であるが、

これの対象と成り得る数は1万人に過ぎないと発表された。

何処で誰が予測したのか明らかではないが、筆者の見る所、これは大変少ない数字との感がする。

 

また相続人が配偶者、政府機関、宗教事業、教育事業、公共事業に携わる者や国際機関の場合は

免除されるとの、とても不思議な文言もある。

これも抜け道、ざる法であろうか。

 

一方、現在の裕福な資産家50人で3,000億バーツの税収が見込めるとの数字も発表された。

富裕層により多くの新事業が生まれるかも知れぬ。

また併せ検討されている、不動産税では300~400億バーツが年間で見込めるとの数字も出た。

論じられている国家予算が2兆8000億バーツからすると大きな数字ではある。