M&A月報No.77 「APEC首脳会議」

 

タイに取っては記念すべき、21カ国参加のAPEC首脳会議の開催があった。流石のタクシン首相も神経質に成っていた様に見受けられた。

裏方は大変である。
期間中は国家公務員は原則休日。
大型連休となる為、多くのタイ人は北部、南部の観光地に殺到する様相を呈した。
ある地域の道路は封鎖。
出席者の健康管理のため20,000人の専門家を動因、特に各国首脳の食べる食事の検査に当たる事にした。
救急車も70台を配備。

テロに備え、TAXI,トックトックの運転手等5000人に小型肩掛けのミサイルの射撃訓練まで行い、不審者や爆発物の発見に協力を要請した。
大型トラックの市内乗り入れは禁止となった。
いつもゴミがあふれ美観を損ねている、BKK市内20箇所のゴミ箱の撤去も決定した。野良犬も何処かに移された。デモの危険がある、NGO関係者へのVISAの発給も中止された。

種々の対策が功を奏し、APEC会議も無事に終了し、タイの持て成しの上手さが光った。20日の夕食後行われた、The Suphannahonges Royal Bargeといわれる、古式豊かな50艘の船によるパレードは圧巻であった。滅多に見られる儀式ではなく、古来、国王が川を旅する時の様相との事で、まるで王朝絵巻を見ている様であった。其の後の灯篭流しも素晴らしかった。

このパレード終了後、ご一行のお見送りにタクシン首相夫妻は出口に立ち、一人一人に丁重に行われた。
各国首脳はご両者にお礼と労いの言葉を掛け帰路につかれたが、小泉首相のみは、タクシン首相には声を掛けたものの、令夫人には声を掛けず退出、お付は何をしているのかと叫びたいひとコマもあった。
こういう華やかな世界に出る場合、FIRST  LADY不在の問題も感じさせられた。

報道関係を見ると、70~80%は米国、BUSH特集である。出迎えも皇太子、国王夫妻による晩餐会、タクシン首相との会談、軍隊への訓示(御礼)等精力的に動き回っても居た。米国タイの商工会議所はBUSH来タイの特集号まで出す周到さ。

次は中国、彼らも国王夫妻に食事に招かれている。
ロシアのプーチン大統領は帰国を一日延ばし21日とし、国王ご夫妻ご一家を訪問し、親交を深める努力をした。

これだけタイ経済に貢献していると思っている我が日本であるが、その他大勢と同じ扱い。小泉首相はROYAL FAMILYは自分は関係ないと思っているのであろうか。外務省が悪いのか、マスコミ関係が下手なのか、大変残念な気がする。

自力では何の対応策も打ち出さず、解決出来ぬ拉致問題を提起し、各国の支援を訴える姿勢では、存在感が薄くなる事もやむを得ぬ仕儀である。
ここは経済問題を討議する場所と、アジアの各国首脳より一蹴される恥ずかしさ。外務省関係者よしっかりしろと言いたい気持ちに成る。

本会議よりも各国首脳の個別会議の方にウエイトが置かれていた様な気もする。FTA論議を通じ、あたかも各国間の取引をTOPが精力的に執り行なっている様な様相である。
この会議を政治の場に利用しようとする米国、否、通商問題を討議するのが本筋と釘を刺すマハティール首相、上手くこれらを纏め、東南アの次期リーダーとしての立場を確たるものにしたタクシン首相、根回し、勉強不足で会議を軽んじて臨み男を下げた小泉首相、大人の振る舞いで好感を持たれた胡主席、日本人として考えさせられる3日間であった。
最後にタイ警察、よくやったと褒めてやりたい。

待望の地下鉄の車両が空輸されて来た。
駅等は既にその美観を現しているが、愈々試運転が始まる。来年4月13日には仮開業し、8月12日に正式開通する予定である。待ち遠しい事である。
これにより更にBKK市内の交通渋滞が緩和する事を念じている。