M&A月報No.76 「軍人事異動とAPEC美化運動」

 

タイ国政府は10月1日付けで、軍部の定期移動の人事を発表した。1996年までは、士官学校の卒業年度に重点を置き、軍首脳において人事は決定されてきたが、同年誕生のチャワリット政権以降、政治家の介入が見られるようになってきた。

その後もチャワリット氏は軍部出身の強みを発揮し、人事に介入し、その影響力を発揮して来たが、昨年より始まったタクシン首相の縁故贔屓の人事ですっかり陰が薄くなってしまった。

その最たるものが、今回発表されたタクシン首相の従兄弟のチャイシット氏が軍司令官になった事である。昨年まで同氏は閑職に追いやられていたが、昨年10月の移動で司令官補に抜擢、更に今年は司令官。

軍、政界関係者は一応に驚きを露にしているが、タクシン首相はそ知らぬ素振り。又、警察関連においても首相夫人の従兄弟を抜擢する人事を発表した。
これで軍部、警察も主要ポストは首相の親族で固められる事になる。タクシン首相の手腕は認めるものの、その独裁者振りが気になる所である。

今年の初めにタクシン首相は、今年のGDPに付き、6%と予測を発表し、大いに波紋を呼んだ。大方は4%前後と予測していた訳であるが、ここへ来て、彼の予測が的中しそうな状況となってきた。
来年は好調な自動車産業に加え、食品加工業も上向き、SARSで落ち込んだ観光業も復活、従って、8%の成長率を見込むと発表した。
大いに結構な事であり、来年も彼の予測が的中する事を念じたい。

来月開催のAPEC首脳会議を控え、タイ政府はテロ対策に加え、BKK市の美化運動に取り組んでいる。
その一環として、メイン道路には多くの花々が植えられ出した。一方、有名である野良犬の捕獲作戦が展開され出した。
予算は3,000万バーツで、1,000匹を超える野良犬を捕獲し、地方の保護施設に移そうという企てである。
しかし、野良犬は賢く、直ぐ隠れ家に入ってしまい、又、地域住民の中には匿う者も現われ作戦は苦戦を強いられている。生き物を大切にするタイ人気質があり、事は簡単でない。

バンコクで地震は無いと思っていたが、今年の1月、インドネシアで起こった地震が当地でも感じられ驚いたが、今度はミヤンマーで起こった地震が原因で、
目下最も高級と言われている最新鋭のビルの29、39階に亀裂が入ったと報道され騒ぎを大きくしている。
”ビルの基本強度には問題はない”と、ビル側は必死に不安説を払拭しようと試みているが、見栄えとは裏腹に、その雑な作りを人々は知っているだけに
不安は募る。筆者としては、ビルもさる事ながら、一本足の高速道路とかスカイトレインは安全なのかと心配に成って来た。