M&A月報No.74 「裏社会一掃政策とタイ・マッサージ王騒動」

 

麻薬撲滅運動に続き、タクシン首相は、各種マフィアの取締に注力し出した。
又、違法行為の摘発にも可也の勢力を割くと発表した。

この動きそのものは真っ当な世界であり、何人も文句の付け様の無い所であるが、首相に成る時に発覚した、彼の会社の多くの株が運転手名義に成って居たり、買収したGOLF場の持ち主が彼の女中名義に成って居た過去がある人だけに人々の反感を買っている。

バイクタクシーも正式にジャケットを買わせ、裏社会は一掃しようとしているが、中々実効は上がって居ない様で、やはり地域社会の顔役のし返しを恐れ、寧ろ二重払いに成り出した事が報道されている。

マッサージ王と呼ばれている御仁が、歓楽街の地上げと、18歳以下の女子を特殊浴場で働かせた嫌疑で逮捕された。
所がこの御仁、毎月、警察他に12Mバーツもの多額の賄賂を贈り、事業の安全を図っていた自分を、事もあろうに、その賄賂を受け取っていた警官が逮捕に来るとは何事であるかと、マスコミの前で息巻き、関係者を慌てさせている。

其の後同氏は行え不明に成っていたが、高速道路を歩いている所で保護された。
本人は警察の関係者に誘拐されたと言っているが、警察は本人の自作自演と応酬、連日マスコミを賑わしている。警察は調査したが、斯かる贈賄の事実は無かったと発表。これが多くの人々の失笑をかった。

タクシン首相も思い腰を上げ、昔の同僚の懲罰に乗り出した。
マッサージ王は現警察庁長官のサン氏を常に批判しているが、この顛末が気に成る。
又、逮捕された後の獄中生活でも、刑務所内の看守にも金をばらまき、好きなものを食べ、寝具も特別にして貰ったと、個人名まで上げ賄賂が多いに通用している事をアピールした。

一部警察の関係者は、彼は言っているだけで、証拠は何処にも無いと反論している向きもあるが、警察が賄賂を取っている事は周知の事実であり、風向きは警察に厳しい。

マッサージ王がタイの最大の恥部にひょんな事より一石を投じた訳であるが、筆者としては、少しは相続税を金持ちより取り、公務員の給与を上げてやらねば
基本的に解決せぬ問題と思っている。
又、この問題は今後、税関吏や国税庁の職員等にも波及していく事が考えられる。


製造関係を除き、殆どのその他部門では未だに外資はMAJORITYが取れぬ問題がある。この関係で多くの企業がタイ人の名義借りを実施している。
これも取り締まるとはっぱを掛けだし、可也の混乱が予想される事態と成って来た。

鳴り物入りでスタートしている30バーツの診療費であるが、病院経営が困難事のみではなく、今般、公立病院の医師約900人が、現状では医療の水準を守る診療が出来ぬとして私立病院に鞍替えする動きが出て来た。

一方、タクシン首相は、筆者が会員に成って居るGOLF場、マッサージ屋に頻繁に現われる様に成った。
政権が安定し、閑に成ったのであろうか。
しかし、BODY GUARDの少なさには驚かされる。
安全との自信は何処から来て居るのであろうか。

一方、彼が地方を視察する時に使用する専用のヘリコプターには5億バーツを掛け、イスラエル製のミサイル警戒用のレーダーを搭載すると発表された。

どうもバランス感覚に欠ける。
息子も国会議員に立候補させるとも言い出した。
有能である事は認めるが、独裁者と成り、国の私物化だけは御勘弁頂きたいものである。

5月の車の販売台数が発表された。
42,751台で対前年比42%のUPである。
ちなみに1~5月の累計は203,024台で対前年比38%のUPであった。

原因は国民所得の向上、低金利政策、個人向けファイナンスの規制緩和、又、95年、96年が年間60万台のピークであったが、97年のバブル崩壊以降、買い替えを控えていた需要が動き出したからと分析している。

個人消費の伸びも6%を超え、大変結構な事であるが、交通渋滞と駐車場不足が気に成る所である。