M&A月報No.63 「末廣教授のタイ講演会と第三回BOIフェア」

 

チュラロンコン大学の客員教授で、タイ国の研究を行なっている、東大の末廣教授の講演会が開催されたので、聴講に行って来た。

タイの華人達は同化が非常に進んで居り、華僑、華人と呼ばれる事を嫌う傾向があるとの種々の説明後、タイの特色に付き、下記3点が上げられると講演された。

1.タイは女性の素晴らしさで持っている国である。

女性の微笑だけでは無く、勤勉、実直、真面目、悪い事をせぬ等共感を覚える説明であった。経理、総務部門等で女性が多いのに納得する。

2.寄付の概念が浸透している。

国王を筆頭に、仏教の影響であろうか、貧しい人々でも寄付を熱心に行なう。地方の学校等では国家予算が少ない為、この寄付が無ければ全く運営出来ない状況にある。

3.農業国である。

目下BOIを筆頭に、諸外国の企業誘致に大変熱心で、製造拠点のタイに成ろうと懸命に成って居るが、所詮は中国や周辺国に対抗出来ぬ時期が来る。恵まれた土質、豊富な水、一年中輝く太陽、これらの有利な環境を活用し、農業に注力すべきである。

ソムキット大蔵大臣は、”1997年日本より中国への投資は258件、昨年は187件あった。一方、1997年の日本よりインドネシヤ、マレーシヤ、比、タイへの投資は470件、それが昨年は144件”と中国に負けている事に懸念を表明、これらを取り戻す為には、税金面での恩典のみでは不足であり、技術力の強化、インフラの整備、電気・水等の安定供給、物流、交通の改善等の説明を良く行う必要があると力説、自ら8月24日に訪日する事を表明した。

繊維、電子、電機、自動車、観光の業界は目下競争力のある業界と思っており、更にこれらの基盤を強固なものにして行きたいと所信を述べた。特にカラーTVとOPTICAL FIBREの関税を見直すと強調、今何故この2アイテムなのかと不思議な感を持った。末廣教授のいう農業、食品分野に言及しなかった所に興味を感じた。

1995年、2000年とBOIはFAIRを行なってきたが、20日~25日迄、第3回目を開催した。6,500万バーツを投入し、開会式にはタクシン首相も参加した。
400社が1,000ブース以上に出展している。

大手製造業社と中小の部品メーカーと取引の交渉の場も提供、60もの講演会も開催された。入場者は32万人と成り、取引総額は50億バーツと大成功裏に終了した。

BOIよりの圧力で、出展する方も大変であったと思うが、60のセミナーには6,000人の参加もあり、投資顧問には900人が情報を求め、31の企業が投資促進権を申請した事もあり、タイに取っては喜ばしい結果と成った。

S&Pはタイの格付けを“安定的”から“強含み”に変更し、長期がBBBマイナス、短期をA3にした。
変更の理由として、タイ政府の国際収支の柔軟性の向上、民間部門の負債減少、予想を上回る財政の改善等を反映したと述べている。嬉しい事である。