M&A月報No.62 「国王よりの贈物とタイ南部の不穏な動き」

 

可愛い2頭の象の写真が新聞の第一面に出た。
読んでみると、5歳と4歳の雄と雌で、タイ国王より皇太子殿下に愛子様のご誕生を祝し、日―タイ親善の証として贈られたものと判った。
喜ばしい事である。

大切に育て、こちらにも子供が生まれる事を願いたいものである。所で、日本はタイの慶事に何を贈れるのであろうか?

タイ南部で各種の爆発事件や警官の殺傷事件が相次いで起こり、人々を不安に陥れている。タクシン首相も事態を大変深刻に受け止めて居り、内相、国防相を現地に派遣し、其の調査、解決に当たらせた。

9人のテロリストの写真を配布したり、30万バーツの懸賞金を掛ける等の対応を行なっているが、何故故にこの様な事を行っているのか、理由が不明確である。

所が、此の度タクシン首相が突然南部地方を視察、関係者より事情を聴取した結果、警官が襲われているのは、麻薬取引を巡る悪徳警官と政治家の抗争が原因、又列車内での爆発事件は、テロリストによるものでは無いと言い切った。

昨年末より現在までに警官は20名も殺害されているにも拘わらず、今回首相が南部の状況はさほど深刻では無いと発言した事により物議を醸している。又、テロにイスラム教分離主義者は拘わって居ないとも発言した。

この南部に付いては、警察と軍部の軋轢も囁かれて居り、首相が発言した様な簡単なものでも無いと見る向きが多い。テロとは無関係なタイであっただけに、早期の治安回復が切望されている。

タクシン首相は証券取引所の投資家フェアーの開会の辞で、”国際的な投資家がアジアに注目している。今後数年間はタイで利益を上げる最高の機会がある。其の為にはアジア地域における協力関係の強化が重要である”と述べた。

国際市場は米国の会計不祥事件で動揺して居り、外国投資家はアジアに資金を移し始めた。ドル安傾向とタイへの資金流入で今後数年間はバーツ高が続く見込みとも述べた。

日本よりアジア向けの輸出が18.2%と急増し、逆に米国向けは0.9%に低迷している。これは日本経済の米国依存が下がり、ASEANへの依存を高める傾向を示して居る。

ASEAN諸国は来年度の経済成長率は5~6%との強気の見方を示して居り、内需による経済復活は無いと見られて居る日本にとっては、このASEANとの関係をもっと重視すべきとの論調が出ている。

更に、15年以降には日本の人口は減少し、経済ばかりではなく、人的資源においても日本はアジア諸国に頼らざるを得ないと結んでいる。
同感である。