M&A月報No.51 「タクシン首相無罪判決!と映画スリヨタイ」

 

タクシン首相には大変有能なスタッフが付いている様である。

彼の資産隠し疑惑が発生したにも拘わらず,その後の選挙で大勝し首相の座に着いた訳であるが、大方の見方としては、その地位を利用し、この裁判の結果を出来るだけ引き伸ばそうとするのでは無いかと見られて居た。

所が、6月頃よりその支持率の高さの為か、結論を早く求める動きをしだした。ここに来て審理のスピードが急速に上がり、8月3日15人の判事による投票が行われ、何と8‐7で無罪を勝ち取った。

タクシン首相が“何も言う事は無い。私は勝った”と大笑している写真が新聞に掲載された。如何に高支持率を誇っても、有罪は逃れられぬと見られて居ただけに、8‐7を読みきり、結審を急がせた取り巻きの読みに感服する次第である。

“正直者は政治の世界より去らなくとも良い。さあ過去は忘れて将来に立ち向かおう”と国民に呼びかけた。

大方の市民や経済界よりは、この結果で良かったと、安堵のコメントが数多く出された。タイのこと故、玉虫色の結論に成るとは思っていたが、まさか無罪を勝ち取るとは,意外な結末であった。

無罪を投票した8人中4人の判事よりは“株を譲渡する様に指示をした証拠が無い”又残りの4人の判事は“資産が報告された時期には公職に付いて居なかった”事により無罪としたとするコメントが述べられたが、今後詳細なる論評を公表する事を求められて居り、皆興味深く見守っている。

折角造った新憲法が骨抜きと成り、その重みを失った事は、如何にこの御時世故、彼の手腕に期待したいとは言うものの、支払う対価も決して小さく無い様に感じる。

ある有名大学の法学部の教授が“今後学生に何と教えて行けば良いのか判らなく成った”とコメントしたのが注目を集めて居る。

タイのソフトウエア産業は輸出産業として脱皮しようとしているが、意外と技術者のレベルが高いとの評価を内外より得ている。

IT分野に注力したいタクシン政権もこれら関連の外国人に対するビザの簡素化、低利融資、免税等の優遇策を打ち出そうとしている。

バンコック北部に37階建てのビルを建設し、ソフトウエアパークとしてテナントを募集しているが、既に政府機関並びに40を超える企業が入居し、満杯状態と成ってきた。これに勇気付けられ、20階建ての第2棟の建設が計画されている。

進出している日系企業の経営者より“タイのソフト分野のエンジニヤーは日本のレベルより遥かに高い”と聞き驚きを禁じ得ない。

高速道路公団は7%のVATの負担が困難と成った為として、7月1日より40バーツであったものを42バーツに値上げした。所が、各方面よりこれは違法であるとのクレームが続出し、法制委が審議の結果、閣議の了承なしに値上げをした事は違法と結論づけた。

これにより11日より41日間、利用者に払い戻す事に成り、38バーツと成った。つり銭を渡す事で大混乱が起こり大渋滞が発生、総裁が辞任する仕儀と成ったが、大変迷惑な出来事であった。

世界中で異常気象が問題とされているが、タイの北部並びに東北部においても集中豪雨の被害が発生した。
観光地で有名なチェンマイ、チェンライも被害に遭い、100名を超える死傷者が出たと発表されている。

タイ映画史上最大の4億バーツを投入した歴史映画“スリヨタイ”が封切られた。1500年代のビルマとの戦いの歴史であるが、現在のタイを代表する豪華な俳優人と数万人規模と言われる人の動員、又数多くの象の起用等その規模も大いに話題と成り、封切り後3日間で2億バーツの収入得るとの明るいニュースが報じられている。

海賊版の氾濫する当地ではあるが、警察が威信に掛けてこれの海賊版は阻止すると息巻いているが、果たしてどうなるであろうか。