M&A月報No.45 「下院総選挙続報と北部メーサイで戦闘勃発」

 

冒頭、異常気象に付き言及する事が多く成って居るが、この乾季に雷雨によりGOLFを止めねば成らぬ程の降雨があった。アフリカでも豪雨が報じられて居るが、世界の何処かで砂漠化が進行していないか心配である。

上院選挙の教訓を生かした為か、今回の下院総選挙は予想以上に順調に終了したと思う。最終的に一党で過半数を制し得なかった愛国党(248議席)は国民党(41議席)と新希望党(36議席)の2党を加えた連立政権(325議席)でスタートする事を発表した。

その後、自由正義党(14議席)が愛国党への統合を希望した為、最終的に愛国党は262議席となり、過半数を超える事と成り、与党の総議席も339議席と成った。

下院の本会議において、首班氏名選挙が行われ、賛成340票、反対127票、棄権30票で念願かなってタクシン氏が第23代の首相に選出された。

組閣に当たり、連立政権を組んだが故に、タクシン氏が望んでいた人選が困難と成り、旧態全の様相をさらけ出してしまった。

即ち、閣僚は従来の48人から新憲法で35人以下と規定されて居る為狭き門と成る、且つ連立を組んだ為各党への割り当て数で紛糾、この煽りが農村地区での当選議員にしわ寄せが及ぶ見込みと成り、不満が続出との状況に成った。

最終的には愛国党27人、国民党、新希望党各4人計35人で構成される事に成った。

最も注目された蔵相にはソムキット氏(47)が就任、国防相には元首相のチャワリット氏(68)が起用された。この様な点、現在の日本と似ているが、外相42歳、最も若い大臣が39歳とその若さに驚ろかされる。

底辺よりの景気回復を公約に掲げ
1.農家の債務返済3年間猶予。
2.77,000の村に各100万バーツの基金設立、
  1村1品運動。
3.低所得者向けに国民銀行創設。
4.中小企業銀行創設。
5.国家資産管理会社創設。(国家AMC)
6.診察料30バーツの導入。
7.外国資本への国営企業の売却禁止。

等を具体的項目として上げているが、財源の根拠が明確では無く、公的債務の増加に繋がるとの懸念の声も上がっている。

国王よりは“政府が良く働けば、国家の繁栄をもたらす。政府が失敗すれば国民に大きな危険を与える。精一杯働くように。”との訓示があった。

週末に政府、経済、金融関係者がチャーアムのタクシン氏の別荘に集まり、国家AMCの設立等に付き議論を行った。この様な動きを市場は歓迎、株価を大いに上昇させた。

又、予てより問題ありとされる中銀総裁の不勉強も取り沙汰され、逆にタクシン首相の積極姿勢が好感を持って報道された。

30ヶ月振りに貿易収支が赤字と成った。理由は米国経済のスローダウンにより電子製品やコンピューター部品の米国への輸出が低迷した事に起因している。又、この分野においてタイは中国に負けているとの声を良く聞く。今後とも輸出が低迷すると経済再建のメカニズムが狂い景気の低迷が長期化する事が案じられている。

過去30年、タイはBOIを設立、税制恩典を提供し外国企業を呼び込んで来た。しかし進出企業は安価な労働力のみが目当てで、タイが望む技術移転は残念乍ら為されていないと分析、この点よりBOIへの批判が高まって来ている。

高まりつつある中国の脅威との板ばさみと成り、今後のBOIの舵取りは困難なものに成って行くと感じている。

タイ北部のチェンライ県にメサイという国境の町がある。ここの川向こうはミヤンマー領でシャン州といわれ、ミヤンマーよりの独立を希望する反乱軍約5,000人がいる。

又、この地域は麻薬の産地としても有名である。
11日、ミヤンマー軍とシャン州反乱軍とで戦闘が起こり、反乱軍がタイ領メサイに逃げ込む、それを追撃したミヤンマー軍の発砲によりタイの兵士や住民他に死傷者が発生、よってタイ軍が応戦した。

タイ軍、シャン州反乱軍は、ミヤンマー軍は麻薬生産者をを支援していると非難、一方ミヤンマー軍は、タイ軍は反乱軍を支援していると応戦、麻薬がらみの国境周辺に緊張をもたらしている。