M&A月報No.40 「シドニーオリンピックとタクシン氏資産隠し疑惑」

 

今世紀最後のオリンピックが華々しくシドニーで開幕した。

開会式のスケールの大きな催し等驚きを感じたが、一方に於いて、此れが本来のスポーツ競技なのだろうかとの疑問も湧いてきた。

すざましい迄のお金の掛けかた、アマチュア精神等は何処かに忘れさられ、一重に商業主義、本来の姿より遠のいてしまったのでは無いかと感じられる。
当地ではNHK放送受信の為、月に1、000バーツもの大金を払っているが、オリンピック放送は一切無く、特別番組が組まれた。

タイの様な比較的予算の厳しい国では、限られた種目しか見る事が出来ない。世界の人々の楽しみで、金儲けを考えて良いものであろうかと疑問を持たざるを得ない。

タクシン党首率いるタイ愛国党が金の力にものをいわせ、100名近い現職議員を集め、次期選挙では第一党に成る可能性が大と言われて居るが、ここに来て同氏の資産譲渡が問題として取り上げられ脱税の嫌疑が掛かって来た。

即ち、大臣等の要職に就任する場合、もし自己の企業を持っていると、その企業に便宜を図ったのでは無いかと疑義を持たれる事を避ける為、株を放棄せねば成らない。

そこで首相就任を目指す彼は、自己の保有する企業の株を家族等に譲渡し始めた。しかし、その中に彼の運転手とか女中に譲渡している事が判明、此れが大きな問題として取り上げられ、運転手や女中がどの様な自己資金で購入したのかの調査が始まった。

彼は今後は政治に専念する事を再三に亘りPRし、企業家としてのイメージの払拭に懸命と成って居る。

バンコク市での調査ではタクシン氏支持が42%で一位、二位はチュアン首相の33%と成っており、断然強いが、東北の農村部では未だに認知度は低く、今後の展開が注目されて居る。

外国勢の売りに遭い、株式市場は2年振りの安値と成った。各企業より言われて居る、回復基調とは遊離した株価と成って居るが、又為替も対ドル43バーツに向かう動きも見せて居り、暗雲が立ち込めうる嫌なムードと成って来ている。

チュアン首相としては世界の動きと同調して、22日、マイカー通勤を控え、公共交通機関による通勤を訴え、自己並びに閣僚も自転車他での出勤をPRした。約10%削減されたと報じられたが、最大の問題と思われる、児童の通学面での改善が全く見られず、大きな成果を得られる事には成らなかった。

建設業界の有力者が政府関係の大型プロジェクトでは、30~50%上乗せされ、その内、担当局の最高責任者が15%を取り、残りがマフィア、担当者、連絡員、局長レベル、閣僚レベル迄で分けられると内情を暴露した。

この国では未だ当分の間、この問題は改善しないとの感がする