M&A月報No.141 「アピシット首相日本訪問」

 

やはり日本を最重要パートナー国と見ているのであろうか。
諸外国の訪問に先立ち、アピシット首相は日本訪問を行った。

日本のアジア地域に対する援助申し出でに対し、タイはどういった手伝いが
出来るか、また日本は何を享受出来るのか。
タイの実情を良く日本の経済界の人々に説明し、継続的な友好関係を
保つ努力をする。

空港閉鎖は二度とさせぬ、ビザの発給費用の削減等を強調し、日本よりの
観光客の再誘致に努める。
日本で教育を受けているタイ人の日本での職の確保についてお願いする。
拡張を計画している電鉄事業に対する日本国よりのローンをお願いする。
これ等に付き討議する事を目的としている。

しかし予測はしていたが、日本のマスメディアの取り扱い方は小さいもので
あったと残念ながら感じる。
アピシット首相の成果としては、電鉄の拡張計画に対する円借款630億円の
約束を取り付けた事であろう。

『お金を貸して欲しいんだろう。貸してやるよ。用が終わったら当方は忙しいんだ。
さっさと帰りな』

といった対応に感じられる。
今の日本にはタイに頼む事は何も無いのだろうか?

アピシット氏はアセアンのリーダーに成る可能性も秘めている。
日本の海外における分工場としては、タイは大きなウエイトを占めていると
思っている。

何も要求する事、改善を迫ることは無いのか?
日本の外交とはお金を貸して手なずける。
これ以外に何があるのであろうか。
新しい時代の大きな転換期に、何ともったいない対応かと納税者としては
悲憤慷慨したい。

日本政府はアピシット首相に対し、タクシン元首相は禁固2年の判決が
出ており、控訴を行っていない。従って、日本への入国の要請ががあった
場合はそれを拒否すると回答したと当地では大きく報道された。
どうもご機嫌取り的な対応が気になる。

タクシン派は国民の約半分はいる事を忘れてはならない。
彼らに不買運動でも起こされたら、どう責任を取るのであろうか。
全く余計な対応であったと感じる。

日本を見習ってか、日本より後に決めた定額給付金だが、タイでは
3月26日から5月15日に掛けて5分割で給付される事が決定した。

対象は月給が15,000バーツ以下の給与所得者で、社会保険に
加入している事が条件である。
この該当者に社会保険庁から給付申請用紙が送られ、それに
口座番号を書き込んで送還すれば、指定の銀行口座に振り込まれる
仕組みである。
貰える額は2,000バーツ/人である。
簡単、明瞭だと思うのだが、日本も見習っては如何かと感じる。

米国でも辞任問題が発生してるが、当地においても、南部のパタルン県で
発生した洪水被害者に配布した魚の缶詰の中に腐った物が混じっている
事件が発生。

この問題に関連して、汚職疑惑が浮上。
自分は潔白であるが、事実の責任を取って、社会・人間開発相が辞任を
発表した。

日本は無縁かと思っていたら、中川大臣が辞任に追い込まれた。
当地新聞では中川大臣の記者会見時のひどい写真が大きく掲載され、
DRUNK、即ち酩酊状態で記者会見に臨んだ事で辞任したと大きく
報道されてしまった。
日本人として恥ずかしい限りと感じる写真掲載であった。
しっかりしてくれと叫びたい。

今年はバンコクでも雨が全く降らないなと感じていたら、やはり東北部は
無論タイ全土での降雨が無く、旱魃(かんばつ)の被害が盛んに報じられる様
になってきた。
不景気風に加えて旱魃(かんばつ)、せめて天候だけでも好転せぬかと念じている。

一方、今度はタクシン支持の赤シャツ組が大集会、デモを始めた。
昨年末の黄色組に対抗して始めたものと思うが、目下の世界情勢を考えると、
レクリエーションも程ほどにせよと言いたい。

ところが、遂に資金が底を付いたのか、日当が出なくなり、どんどんと地方への
引き上げが始まった。
一様に皆が結構な事と事態を喜んでいる。

週間ダイアモンドの広告を新聞で見た。
大きな見出しで“農業が日本を救う”と出ている。
やっと気が付き出したかと嬉しく感じると同時に、この様な時期、考えられる策は
躊躇せず実施に移せと言いたい。

しかし今の政治状況では、日本に取っては大変不幸な事であると感じるが、
スピードを出す事は不可能とも感じられる。
このまま9月まで移行するのであれば、日本は最も対応が遅れた国との烙印を
押されても致し方の無い状況になってしまうのであろう。
何とも歯痒い日々である。