M&A月報No.138 「ガラヤニ王女の御葬儀と国際空港占拠事件勃発」

 

10月は1ヶ月間のお休みを頂き日本に帰っていた。
日々、新聞やTVの報道を見たが、楽しいニュースは殆ど無かった。
この間、10回ほどJRを利用したが、株価急落、不景気の為か3回もの
人身事故に遭遇した。
理由は何も説明が無かったが、その都度予定が大きく狂い、大変な迷惑を蒙った。
死んだ方には申し訳無いが、他人に迷惑が掛からぬ方策を選んで欲しいものと
思わざるを得なかった。

首相は不景気が最大の問題として、選挙より景気対策を優先として2兆円を
ばら撒く方針を打ち出した。
しかし高所得者も貰うのか?と事態は紛糾していた。

一方、不景気で、失業者の増加、非正規社員の取り消し等々で気の毒な人々が
増えていると連日の報道。
タイを見習いどうすれば良いかを考えてみた。

失業もしくは就職出来ない人々は、強制的に、都会を離れて頂き、農業か漁業に
従事して貰っては如何であろうか。
2兆円はこの対策費に充当する。
これにより最大の問題点と思う、自給自足の比率は改善するし、後継者の問題も
改善するかもしれぬ。

金を配り得票に結び付けているタクシン方式は、破綻を来たすものである事を
学んで欲しいし、長期の視点に立った対策案を聞きたいものと感じた。

世界不況の様相から株価が急落、ここは買い時かと思い株屋を訪問した。
店は閑散とし活気は全く無い。
この様な時に買いの客には喜んで貰えるのかと思いきや、海外在住の者は
日本では株が購入出来ぬ様になったと言う。
日本人であり、パスポートもあり、本籍地も現住所もあり、邦銀での預金通帳も
あるのに買えぬと言う。

理由は売った時にもし利益が出ていると、その納税が不明瞭となる為と言い、
買いたいなら海外で購入しろと言う。
日本はかくも硬直した国になったのかと思い知る事象であった。
自分達の都合のみで物事を決めている官僚が蔓延っている日本、果たして
明るい未来はあるのであろうか。

大阪で悪質なひき逃げ事件が発生した。
被害者は可哀想とマスコミは一斉に犯人探しに走り出した。
偶々近くに行く所要が出来、現場を観察した。

大きな交差点で、歩道橋が多くあり、その現場は人が居るはずの無い
場所であった。
若き、有望なサラリーマンの悲劇と報じられたが、この様なエリートが午前4時に、
人が居るべき場所で無い所で、一体何をしていたのかは一切報道されなかった。

犯人が逮捕された。無免許で飲酒運転、執行猶予中、怖くて逃げたとの供述。
庇う言葉は何も無い。

しかし、もしこの運転手が正常で、且つすぐ救急車の要請を出して居たとしても、
恐らくは日本では、前方不注意として、運転手が罪に問われるのであろう、
現行の道路交通法には疑問を感じている。
恐らく、被害者も酩酊していたものと推測出来る。
運転手が正常であれば、タイならば引かれ損であろう。

妊婦が掛かりつけの病院に、強い頭痛がすると駆け込んだ。
その病院では対応困難と考え、8つの大病院に受け入れを問い合わせたが、
全てに断られ、幸い子供は助かったが母親は残念ながら他界した。
政界、病院、マスコミは大騒ぎ。医師不足が問題と叫ぶ。

亡くなられたご婦人は大変お気の毒であったと感じるが、脳内出血の疑いの
ある妊婦を受け取る勇気のある大病院はあるのであろうか。
医師に掛かる時は、直れば感謝、ダメなら残念と思うぐらいの覚悟が要るの
ではなかろうか。

今の日本の様に、 何か疑問点が残ると訴訟。
これでは産科医等リスクのある分野の医者が減ることは当然ではなかろうか。
医大の卒業生を増やせば解決する問題とは感じなかった。
因みにこのケース、タイなら訴訟は成立せぬと思う。

今年1月にご逝去された、国王の姉君のガラヤニ王女の御葬儀が、荘厳、
且つ厳粛に11月14、15、16日の三が日に亘り執り行われた。
まるで古代の絵巻を見る様な素晴らしいものであったが、中には巨象が花束を
捧げる微笑ましいものもあった。
100人を超える僧侶、10万人を超える国民により見送られた。
我々もこの三が日は黒を纏い、追悼の意を表した。

8月の月報で英国に亡命したタクシン氏を英国政府が庇う理由も無く、
どう対応するか注視したいと述べたが、旧き良き英国が現存する事を知り
喜びを感じた。
即ち、英国政府は目下中国に滞在中の同夫妻に対し、“好まざる人物”として
英国のビザを無効とし、今後同夫妻が英国に入国せぬ様、各航空会社に通告を出した。

世の中、お金の威光で全てが運ぶと思っている同夫妻、そうはならぬ世界が
ある事を思い知ったであろう。
フットボールチームと併せ、英国紳士の大人の対応に拍手を送りたい。
英国で購入した豪邸、更には、今後の亡命先、資産の凍結等、愈々
追い詰められて来た夫妻の今後にも注目してみたい。
その亡命先であるが、フイリピン、マレーシアも不可、今の所、歓迎しているのは
バハマぐらいである。

今度は何を画策してか、香港においてタクシン夫妻は離婚した。
巷では、タクシン氏の資産は凍結されている為、夫人のものはこの難より
逃がそうとしてであろうと分析している。
とにかく、金、金、金のお二人だなと感じる。

反タクシンの市民団体(PAD)であるが、今までは首相府前に座り込み、
反政府活動を展開していたが、先回の警察との衝突時に死亡した二名の葬儀に、
異例中の異例でシリキット王妃が参列し、最後の荼毘に付す点火を自ら行った事で、
まるで討伐の錦の御旗を賜った様に勇気付いたのか、又は愈々資金も枯渇してきたのか、
最後の一戦との触れ込みで、国際空港閉鎖と言う暴挙に出た。

今までは、お小遣いを貰って、レクリエーションかボーイスカウトの感であったが、
この騒動は許される事ではない。

APECの会議でペルーに行っていた首相の帰国を妨害しようと企んだが、首相は
チェンマイに着陸し、その反動か、国際空港二箇所に座り込みを断行した。

前回の衝突では警察がマスコミの批判に晒されたが、それを現政府は警察の
行き過ぎと決め付け、何も擁護しなかった。
その影響か、今回は警察も軍隊もこの暴挙排除に躊躇いを示している。

陸軍の総司令官は、首相に対しては総選挙の即時実施、PADに対しては
空港閉鎖を解くように提案した。
しかし首相は、自分は選挙で選ばれているとこの提案を一蹴、軍部が自分の
指示通りに動かぬ事は法律違反と対決色を強めて居るが、軍部に圧力を
掛けるとクーデターの恐れが有り手が出せない。

警察長官は命令を聞かぬと更迭したが、内部にはPADの支持者も多く動きは鈍い。

次なる展開は、現政権は選挙違反の嫌疑も掛けられており、この判決が近々出る。
これにより、次は総選挙となる可能性もある。
12月5日は国王の誕生日であり、恒例のスピーチに注目が集まっている。
従って、4,5,6,7日の間ぐらいは平穏を保つのではないかと思うが、その後に
未だ心配は残る。

首相を先頭に閣僚の指導力は全く感じられない。
やはりタクシン氏が現場にいないと何も出来ないのであろうか。
政府の力の無さを世界中に晒した事は、残念ながら今後のタイの発展の為に
禍根を残す事になるであろう。

黄色を着るPAD派、赤を着るタクシン派、世論も二つに割れている。
タイの要人は“有能な人材は豊富にある。その内落ち着く所に落ち着く。
慌てる事は無い”と低成長時代が長く続く事を善しとしている節も見える。
巷では経費節減の大合唱が聞こえて来そうである。

筆者も偶々、小学校の同窓生と、世界遺産のアンコールワットに行っていた。
帰ろうと思うとバンコク行きの飛行機便は全てキャンセルと言う。
仕方なく、陸路、タクシーでタイの国境まで行き、そこに迎えを頼み、6時間半
かかってバンコクに戻って来た。
他の同窓生は、一日遅れて、ソウル経由で名古屋に戻った。

タイの観光事業を筆頭に、タイの経済は大きな打撃を受ける事になるであろう。
世界不況にプラスして、政府の弱さ、国民が二分されている、観光事業への
不安等々で、レクリエーションも程ほどにせよと言いたいと同時に、外国人に
迷惑を掛ける事はすべきで無いと声を大に叫びたい。

好感を持って見ていたアピラック・バンコク知事が突如辞任した。
原因は消防車の調達に関わる不正疑惑の嫌疑で当局に起訴された為である。
本人は裁判で身の潔白を証明してみせると述べている。
信じてみたい。